岡山大学が明らかにした乳児期のケガとその影響、家庭内事故防止の重要性

岡山大学の研究成果が示す、乳児期のケガとその影響

国立大学法人岡山大学の研究チームが、新たな発見をしました。これによると、乳児期にケガをした経験を持つ子どもは、小学校入学前までに再度ケガをするリスクが高まるとのことです。この研究は「21世紀出生児縦断調査」に基づき、1歳半までのケガの受傷歴と7歳までの病院受診の関係を明らかにしています。

乳児期のケガは家庭内で多発

調査の結果、約80%の家庭で乳児期に何らかのケガを経験していることが分かりました。その中でも、特に転落や挟まれ、溺水、誤飲、熱傷によるケガが挙げられ、これらのケガは独立した再発リスクを持つことが明らかとなりました。

過去にケガをした子どもは、再度のケガを負うリスクが1.5倍になるとの結果が示されています。つまり、早期の事故防止策が必要であり、家庭内での注意喚起が求められます。

家庭内での事故防止策の見直し

今回の研究は、家庭内での事故予防の重要性を再認識させるものであり、医療機関や地域の母子保健行政との連携も期待されています。調査結果をもとに、家庭でできる具体的な対策が考えられます。

1. 住環境の見直し: 家庭内の危険な場所を見つけ、対策を講じることが重要です。特に階段やはしご、浴室などの水回りは特に注意が必要です。

2. 教育と啓発: 親や保護者が子どもに安全な行動を教えることが欠かせません。事故が発生しやすい状況やケガのリスクを理解し、適切な行動を促す手助けが求められます。

3. 医療機関との連携: 乳幼児期にケガをした場合、医療機関との連携を密にし、必要な情報提供や支援を受けられる体制を整えることが必要です。

研究の背景と成果

この研究は、岡山大学の医歯薬学域の研究チームによって実施され、2024年10月にドイツの出版物「Scientific Reports」に掲載されました。平岡知浩大学院生は、「病院受診がもたらすストレスを考えると、この研究が乳幼児のケガを減らす一助になれば」とコメントしています。子どもの成長とともに、家庭内の環境を安全に保つことが一層重要になってきていると感じています。