岐阜県安八郡輪之内町は、2022年3月に「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを宣言しました。この宣言を受けて、輪之内町は大垣共立銀行と株式会社バイウィルとの間で、カーボンニュートラル実現に向けた「連携協定」を締結しました。この協定によって、3者は地域の環境価値の創出や流通、新たなビジネスモデルの開発に着手することが期待されています。
締結式は2025年6月4日に輪之内町役場で行われました。この日、大垣共立銀行の常務執行役員である吉成広行氏や、輪之内町長の朝倉和仁氏、バイウィルの執行役員である齋藤雅英氏が出席しました。この協定では、環境価値に関する情報、サービス、ノウハウの提供などが予定されています。
バイウィルは東京都中央区に本社を置き、カーボンニュートラルの実現に向けて、企業や団体への環境価値の創出支援や、クレジットの売買、脱炭素コンサルティングなどを行っています。この連携協定は、輪之内町における新たな取り組みの第一歩と位置づけられています。
輪之内町では公共施設のLED照明化が進められており、特にこの点が重点施策として位置づけられています。LED化によりエネルギー効率の向上が見込まれ、J-クレジットの創出も期待されているとのことです。J-クレジットは、脱炭素活動によって得られた排出削減量を国が認証したもので、他の企業への販売やオフセットに活用できます。
大垣共立銀行は2023年9月27日にバイウィルとの間で顧客紹介契約を結び、地域での脱炭素を促進してきました。今回の協定はその延長線上にあり、今後の取り組みとしては、LED設備の導入や他の方法論の検討が進められる予定です。特に、2025年度からは各施設の照明をLEDに切り替える計画があり、その結果、年間約94.5トンのCO2が排出削減される見込みです。
バイウィルは輪之内町におけるJ-クレジットの創出を支援し、その登録や申請からモニタリング、クレジットの販売までを一貫して担当する予定です。このプロジェクトは、地域の脱炭素化を目指す地産地消のモデルとして機能し、地域への貢献が期待されています。
今後、輪之内町、大垣共立銀行、バイウィルの3者が連携して進めるこれらの取り組みが、地域の環境保全や経済活動の持続可能性に寄与することが期待されます。各主体が持つ専門知識を活かし、資源の有効活用や環境問題への対応を強化していくことを目指しています。これにより、輪之内町が模範となるゼロカーボンサステナブルシティへと成長していくでしょう。