レノボとニデック、AIデータセンター用水冷システムを共同展開
レノボとニデックがAIデータセンター向け水冷ソリューションを共同展開
近年、AI技術の急速な普及と共に、データセンターの需要が増大しています。そのため、特にAI向けのデータ処理を行うAIデータセンターにおいては、大規模かつ高性能なサーバーが要求されることから、冷却システムの効率化が不可欠です。そこで、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社(以下、レノボ)とニデック株式会社(以下、ニデック)がタッグを組み、AIデータセンター向けの水冷ソリューションを共同でプロモーションする取り組みを発表しました。
新たな時代のデータセンター冷却技術
従来、データセンターでよく使用されていたのは空冷式の冷却システムですが、サーバーが発生する熱量が増加する中で、その限界が現れています。特に、AIの演算に必要な画像処理半導体(GPU)は、稼働中に100度近い高熱を発生させてしまうため、空冷では冷却が困難になっています。このため、液冷式の冷却技術の導入が注目されています。液冷は、冷却液を循環させることで非常に高い効率を持ち、環境への影響を抑えつつ冷却を行うことが可能です。
コラボレーションの成果
今回のプロモーションで登場するのは、レノボの高度な液体冷却技術「Lenovo Neptune」と、ニデックが提供する冷却水の安定した循環を可能にする「冷却液分配装置(Coolant Distribution Unit: CDU)」です。これにより、電力効率を最大化し、消費電力を削減する冷却ソリューションを共同で推進していきます。
冷却効率向上による運用負担軽減
この新しいソリューションは、AIサーバーの安定稼働を支え、高い冷却効率を実現します。冷却システムの効率が向上することで、温度管理やトラブル対応にかかる管理者の負担が軽減され、さらには全体の電力使用量も削減されることが期待されます。これにより、データセンター運用がこれまで以上にスムーズに行えるようになります。また、微小な漏水さえ許されない中で、両社の技術を駆使し、安全性と信頼性を高めた液冷制御が実現される点も大きなポイントです。
環境への配慮と持続可能な展開
レノボとニデックは、今回の取り組みを通じて新たなエコパートナーとの連携を深め、日本市場での顧客開拓を積極的に推進していく方針です。持続可能なITインフラの普及に貢献し、未来のデータセンター運用における環境負荷を軽減することが期待されています。まずは国内市場で提供が行われますが、将来的には海外展開も視野に入れています。
共同コメント
ニデックの副社長執行役員である北尾宜久氏は、「AI需要拡大を背景に、レノボの技術とニデックの経験を融合させ、持続可能なデータセンター運用の実現に貢献したい」と述べています。また、レノボの代表取締役社長である張磊氏も、このコラボレーションが日本市場での水冷エコシステムの拡充につながることを嬉しく思うと語っています。
企業プロフィール
レノボは、売上高690億米ドルを誇る世界的なテクノロジー企業であり、全世界180ヶ国以上でサービスを展開しています。ニデックも、7,000台以上の出荷実績を持つ企業として、高い信頼性を誇っています。両社の技術力を結集させた今回の取り組みは、AI時代のデータセンターにおける新しいスタンダードを築く重要な一歩となるでしょう。
会社情報
- 会社名
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レノボ・ジャパン合同会社
- 住所
- 東京都千代田区外神田秋葉原UDX 北ウイング10階
- 電話番号
-
0120-030-984