海洋プラスチック問題に革新をもたらす「サプリメントルアー」
株式会社TBWA HAKUHODOが、海に残るプラスチック問題に新たなアプローチを提案しました。共に取り組むのは、日本釣り環境保全連盟です。この組織と共同で開発したのが、環境に優しいサステナブルなルアー「SUPPLEMENT LURE(サプリメントルアー)」です。この製品は、2025年4月24日から応援購入サイト「Makuake」での事前予約販売を開始し、将来的には釣り業界の新しいスタンダードとなることを目指しています。
背景:釣りと環境問題の兼ね合い
コロナ禍以降、釣りを楽しむ人が増えていますが、その裏には「残留ルアー」という問題があります。日本では、一年間に約1,461万個のルアーが海に残され、重さは365トンに達しています。これらのプラスチック製ルアーはマイクロプラスチックに分解される危険性があり、魚の体内に入り込む恐れがあります。また、藻場が減少することで魚介類の生息域も失われてきています。
この問題を解決するために、TBWA HAKUHODOは“Disruption®”の理念を基に、新しいルアーの開発に取り組みました。釣りの楽しさを持ちながら、同時に海の生態系を守るための道を開くことを目指しています。
「サプリメントルアー」の特長
1.
環境に優しい素材
サプリメントルアーの素材には、生分解性のプラスチックMater-Biを使用しており、海での分解が確認されています。万が一、ルアーを失っても、時間が経つにつれ分解し環境に優しい形で自然に還ります。
2.
海洋栄養供給の仕組み
ルアー内部には、鉄を使用して水質改善を図る「Go Green Cube」が封入されています。ルアーが海水に溶け出す際に、内部の鉄分が海に流れ出し、海洋環境を改善します。これによって悪臭の要因となる硫化水素の抑制が期待されます。
3.
釣り人にも優しいデザイン
サプリメントルアーは、優れた飛距離を持つ36gの重量設計で、様々な魚種にアピールすることが可能です。実際の釣果テストでは、60-70mという飛距離を記録し、釣り人にとっても非常に使いやすい製品となっています。
販売計画と今後の展望
2025年4月24日から3ヶ月間、「Makuake」にて事前予約販売が行われます。その後、2025年秋には一般販売が開始される予定です。今回のプロジェクトはTBWA HAKUHODOの釣り好き社員が自身の趣味を活かして構想し、実現したものであり、今後も同様の環境に優しいツールの開発が期待されます。
環境保全への寄与
認定NPO法人日本釣り環境保全連盟の山下茂理事は、「SUPPLEMENT LURE」の開発が持続可能な釣りの未来を創造する鍵になると語っています。この製品を通じて、未来の釣り人たちが安心して自然と接することができるよう、引き続き環境に優しい釣り具の開発に取り組んでいく方針です。TBWA HAKUHODOの能智雄大クリエイティブディレクターは、釣りを楽しむことで海を傷つけてきた人々に対し、釣りというレジャーを環境に良いものに変える一歩を提案しています。これにより、多くの人が海の問題について認識し、行動を変えるきっかけになることを期待しています。
結論
「SUPPLEMENT LURE」はただの釣り具ではなく、環境意識の高い新しい釣り文化の一端を担う製品です。私たちが楽しむ釣りが、同時に美しい海を保つ手助けとなるのです。新しい釣りを楽しみながら、持続可能な未来に貢献できる「サプリメントルアー」にご注目ください。