ヨコオのハラルメニュー提供:多様性を尊重する取り組み
株式会社ヨコオは、富岡工場にある社員食堂「Y’s Cafeteria Sky Oasis」で、ムスリム社員向けにハラルメニューの提供を始めてから、2023年11月13日で1年が経過しました。この取り組みは、イスラム教の教えに従う社員たちが、日本で安全に、そして安心して食事をとることができる環境を提供するためのものです。
イスラム教徒の人口は世界中で増加傾向にあり、現在、約19億人が存在しています。その中でも、日本には20万人以上のムスリムが生活しており、ヨコオではマレーシアのグループ会社からの研修生や出張者が、富岡工場で勤務しています。彼らが安心して食事できるようにという社内の取り組みは、企業としての社会的責任も果たしています。
ハラルメニュー導入の経緯
ハラル(許されている)食材は、イスラム教の戒律に従っており、食材選びや調理、遺伝子組み換えの有無など、厳密な基準があります。このため、日本国内でハラルフードを提供できる食堂は限られており、特に企業内食堂としての提供は珍しいケースです。ヨコオは、ムスリム社員が豊かな食事を楽しめるように、社内でのハラルメニューの提供を開始しました。
具体的には、食堂運営を行う株式会社グリーンハウスと協力し、ハラルに関する教育訓練を受講しました。この訓練を受けたスタッフが調理を担当し、提供する約400種類のメニューの中からハラルに適したものを厳選しました。
提供の工夫と取り組み
さらに、厨房の構造をハラル対応にするために、専門家からアドバイスを受けました。調理エリアは一般的な社員食堂と共用ですが、肉類は特別にハラル食材を扱う企業から仕入れ、コンタミネーション(交差汚染)を避けるために保管場所を明確に分けるなどの対策を講じています。また、調理はハラル食材を最初に使って行うことが義務付けられています。これにより、「ムスリムフレンドリー」と呼ばれる、安心安全な環境が実現されています。
特に、メニューの決定に際しては、富岡工場で直接研修を行っているムスリム社員の意見を取り入れています。約100種類の調味料について使用可否を確認する作業や、厨房見学を通じて、実際の調理環境についてもチェックを行いました。これらのプロセスを経て、Yokoのハラルポリシーを明確にし、企業、ムスリム社員、運営会社の3者で合意に至りました。
多様性の尊重と今後の展望
ヨコオは、「Respect / 尊重」を企業理念の一つとして掲げています。このハラルメニューの提供は、多様性を受け入れる姿勢そのものであり、全ての社員が安心して働ける環境作りに貢献しています。これにより、国籍や宗教に関わらず、才能を持ったグローバル人材を確保することができると考えています。
今後も、ヨコオは多様なバックグラウンドを持つ社員から新しいアイデアを生かし、共に成長していくことで、より良い会社、そして社会の実現を目指していきます。食堂メニューは、次のような例があります:
- - やきとり丼
- - タラのスイートチリソース
- - 牛肉のバター醤油炒め
- - チキンソテーおろしぽん酢
- - 魚のみそ焼き
このように、ハラルメニューは工夫を重ねながら日々進化を続けており、社員たちにとっても嬉しい食の選択肢となっています。