全国防犯意識調査2024：地域別の防犯傾向と対策の実態

2024年の全国防犯意識調査によると、最も防犯意識が高い県は奈良県で、次いで東京都や京都府が続いています。調査では、三大都市圏（茨城県、埼玉県、千葉県など）の市民が特に防犯意識を持っている傾向が見られ、69.1%の人々が防犯対策を行っていると回答しています。その中でも、「しっかりと対策をしている」と応えたのは奈良県が24.0%で最も多く、東京都が23.0%、京都府が22.0%となっています。この結果は、三大都市圏に居住する人々が特に防犯に気を配る傾向を示しています。

一方で、防犯対策を「しようと思ったことがない」と答えた県は熊本県、沖縄県、そして千葉県が同率で上位にランクインしました。特に沖縄県では、人口10万人あたりの刑法犯認知件数が620件に達しており、九州・沖縄エリアで福岡県に次いで2番目に多いという現実があります。これに鑑みると、防犯意識と実際の犯罪発生率には大きなギャップが存在します。

また、地方に住む人々の約80%が「都会に比べて治安が良い」と感じており、治安が良いとされる県は秋田県、島根県、宮城県が上位に名を連ねています。しかし、実際には宮城県の刑法犯認知件数が北海道・東北エリアで最も多いなど、意識と現実との矛盾が見える結果となりました。防犯対策を行わない理由としては、半数以上が「どんな対策をしてよいのかわからない」と答えており、特に沖縄県は「近所の方の目があるので防犯の必要性を感じない」との回答が多く見られました。

このような背景から、最近の犯罪事情や防犯対策の現状についても考えさせられるところです。調査結果によりますと、実際に自宅や携帯電話に不審な電話や詐欺電話がかかってきた経験があると答えた人が55.3%に達し、特に新潟県で71.1%、山梨県で69.0%と、高い割合であることが判明しました。これらの結果からも、地域による防犯意識の違いや、実施している防犯対策の傾向が明らかになっています。

防犯アドバイザーの佐々木成三氏は、地方では「治安がいいから大丈夫」との認識が根強いと指摘し、その結果として防犯意識が低くなっている傾向があると述べています。田舎だからこそ危険が潜む場合もあるため、防犯意識を高め、日常からの対策が必須であることを強調しています。この調査を通じて改めて自分自身の周囲の安全について考え、行動に移すことが求められています。

最後に、具体的な防犯対策としては、パナソニックから出ているワイヤレスモニター付きテレビドアホンなどの防犯家電の利用が推奨されます。こうした商品を活用することで、自宅の防犯対策を強化することができます。