AI時代を見据えたコンサルタント業務の実態
株式会社FIELD MANAGEMENT STRATEGY(FMS)が実施した最新の調査では、現役コンサルタント302名を対象に、AIによる業務代替に関する意識が明らかにされました。調査によると、特に代替されやすいと見なされている業務は、定型的な作業ではなく、専門性の高い業務が上位に挙げられました。
調査背景と目的
生成AIの急速な普及を背景に、コンサルタント業務の中でAIのどの部分が機械に代わるのかという議論が高まっています。しかし多くの見解は業界外からの憶測に過ぎないため、FMSでは実際に現場で働くコンサルタントからの意見を集めた調査を実施することにしました。これにより、コンサルタント自身の視点から業務の変化を捉えようと試みました。
AIに代替される業務の順位
調査結果の中で特につけられたのは、「今後AIに代替されるであろう業務」という質問に対する回答です。以下がその上位5業務です。
1. データ分析・モデリング(49.0%)
2. 情報収集・調査(37.1%)
3. 資料作成・構成(35.4%)
このデータからは、コンサルタント自身が「定型業務がAIに取って代わられる」との認識を持っているのではなく、むしろ専門性の高い作業が早くから代替される可能性を感じていることが分かります。興味深いことに、議事録やタスク管理といった一般的に考えられがちな単純作業は、代替されると考える人がわずか19.5%しかいませんでした。
残る業務とその重要性
逆に、「AIに代替されにくい」と考えられている業務については以下の通りです。
1. 現場を動かす実行・交渉(59.3%)
2. 経営者との信頼関係の構築・合意形成(52.6%)
3. 論点設定・定義(35.1%)
ここで注目すべきは、現場での実行や経営者との信頼関係の構築が上位に挙げられていることです。これは、AIには難しい人間の感情やコミュニケーションに重きを置く業務であり、今後もコンサルタントにとっての重要な役割であることを示しています。
コンサルタントの自己評価
さらに、これまでのキャリアにおける「最も価値を出せた瞬間」を尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「実行・現場を動かしたとき」であり、24.5%がこの選択肢を選びました。分析や提案がまとまったときといった業務も評価されていますが、やはり実行に関する評価が高いことがうかがえます。
管理職の見解
加えて、部下を持つ管理職56名に対する調査では、彼らが考える部下の業務のうち、AIで代替可能な業務の割合についても質問が行われました。ここでも、10人中5人以上が「50%以上」と考えていることが明らかになりました。これは、業務の性質や重要性から見ても、AIの導入が進むことを予感させる結果です。
FMS代表のコメント
FMSの代表取締役、中村健太郎は調査結果を受けて、コンサルタントがこれまで専門的とされていた業務がAIに移行することを懸念しつつ、現場での信頼関係の構築や、実行といった人間に残るべき業務の重要性について強調しました。彼は、今後も人間の価値が求められる業務に重きを置き、AIと共存する方法を探っていくと述べています。
この調査を通じて、コンサルタント領域は今後どのように変化していくのか、その姿が少しずつ明らかになってきました。AIによる代替が進められる一方で、コンサルタントの役割や価値も変革していくことが求められる時代が到来しています。