近年、業務のデジタル化が進む中、アイリスオーヤマが新しい受注・出荷システムにデジタル帳票基盤「SVF」を導入したことが注目されています。この取り組みは、国内の11工場で1日10万枚、500種類の帳票を印刷する必要性に応えるもので、業務の効率化を実現しました。
新システム導入の背景
アイリスオーヤマは、「ユーザーイン発想」に基づき、生活者の不満を解消することを企業理念に掲げています。毎年1,000アイテム以上新商品を生み出す中、時代の変化に応じたデータドリブン経営を目指してDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めています。オフコン上の古い受注・出荷システムは、COBOLというプログラミング言語を使用していましたが、その技術を持つ人材が減少してきたため、システムの刷新が求められていました。
特に帳票開発においては、専門知識が必要で、揮発性の高い開発環境でした。そこで、アイリスオーヤマは、国際的なクラウド環境であるAWS上に新たにシステムを開発することを決定し、その中でも重要な役割を果たすのが帳票基盤「SVF」でした。
SVF導入のポイント
SVFを導入する際の大きなポイントは、帳票フォーマットをそのまま保持して出力可能で、ユーザビリティの向上が図られることです。さらに、多様なプリンターに対応した高度なスプール機能を持つことから、流れ作業の一環としてスムーズな印刷環境を提供します。
導入後の効果
2023年7月から開発環境を整え、約500種類の帳票が作成されました。新しい帳票基盤では、帳票設計ツール「SVFX-Designer」が導入され、GUI操作で直感的に印刷イメージを作成することが可能となりました。このシステムの導入により、開発チームだけでなく、他の部門のメンバーでも帳票の設計に関与でき、作業の効率が大幅に向上しました。
また、新受注出荷システムは2025年9月に本稼働を迎える予定で、帳票開発に関わる人材も増強され、生産性は約1.5倍に拡大しました。これに伴い、多様な出荷ラベルや指示書などの帳票が、業務に必要な情報をしっかりと繋いでいます。
業務の効率化と生産性の向上
具体的には、SVFの導入によって以下のような効果が得られました:
- - 帳票運用の効率化:出荷情報を外部倉庫にスマートに連携できるようになり、操作性が格段に向上。
- - 運用負荷の軽減:以前はシステム部門に依頼していた帳票の再出力作業が現場でも簡単にできるようになりました。
- - 印刷運用の効率化:どの端末からでも印刷指示が可能となり、日々の印刷処理が安定的に行われています。これにより、日本国内の11工場で1日10万枚の帳票印刷がスムーズに行われています。
- - 開発体制の刷新:新規取引先と直取引を行うためには、EDIの仕組みとラベルの発行が必須であるため、以前のように人材が不足することがなくなり、開発の生産性が向上しました。
今後は、帳票のレガシー部分の置き換えを進めるほか、事業拡大に伴う帳票ニーズの統合を進めることで、さらなるビジネスチャンスの拡大を図っていく計画です。アイリスオーヤマの担当者は、「今後もウイングアークと連携し、SVFのさらなる機能拡張に期待しています」と語っています。
まとめ
アイリスオーヤマがSVFを取り入れたことによって、業務の効率化と生産性の向上を実現したことは、他の企業にとっても新たなモデルとなるでしょう。デジタル帳票基盤の導入は、急増する取引先ニーズへの柔軟な対応を可能にし、ビジネスの発展に寄与しています。今後のさらなる発展に注目が集まります。