新たなライフスタイルブランド、YOSHITOの誕生
自然の恵みを纏うことにフォーカスしたライフスタイルブランド「YOSHITO」が、ついにその幕を開ける。このブランドは、琵琶湖の周辺で自生する「葦」を素材に使い、新たな製品を生み出すことで、環境に配慮した持続可能なライフスタイルを提案する。出発点は、株式会社Doooxの代表である久保寺亮介氏の理念「行動で世の中を変えていく」という信念だ。
源流は琵琶湖に
「YOSHITO」の根底には、日本最大の湖、琵琶湖がある。そのほとりに生い茂る葦は、古来より日本人の生活と密接な関係を持っていた。葦は、茎を屋根葺きや燃料、繊維として利用され、衣食住のすべてに不可欠な素材であった。驚くべきことに、葦は種や水を必要とせず、毎年力強く成長する。その生命力は持続可能な循環の象徴だ。
「YOSHITO」では、この自然との調和を大切にしつつ、地域の知恵を活かした製造プロセスを取り入れている。特に、「火入れ」という古来より伝わる方法を用いて、葦を育むことで、環境への負担を軽減しながらも質の高い素材を生み出すことを追求している。
プロデューサー入榮秀謙氏のビジョン
この新たなブランドの背景には、プロデューサーの入榮秀謙氏がいる。彼は、製造業とモータースポーツ事業を手掛ける一方で、地域の課題に対する真摯な取り組みを行ってきた。彼の地元である滋賀県東近江市の資源である葦を活かし、持続可能なものづくりを通じて社会貢献を目指している。入榮氏の情熱は、クリエイターたちを惹きつけ、「YOSHITO」の形ができてきた。
アパレル界の常識を超えて
クリエイティブディレクターの近藤昌氏は、アパレル業界の常識からの解放を目指す。「洋服には多くの制約が伴っている。流行や年齢、性別とも縛られず、自由にデザインされた服を提供したい」と語る。YOSHITOの服は、ありふれた一着ではなく、着る人の個性を引き立てる存在となるべくデザインされている。
製品の素材には、葦とテンセルを組み合わせたオリジナルファブリックが使用されており、自然な抗菌性や通気性を有する。着る人自身に寄り添う服として、日々の生活に溶け込むことを重視している。
シンプルな美しさと多様性
「YOSHITO」の製品は、中立的な色合いとシンプルなデザインが特徴であり、老若男女を問わず着ることができる。特に、葦をイメージした「セージグレー」は、どの場面にもマッチし、着る人の魅力を引き出す。
製品展開は、軽やかに羽織れるSHOP COATや、自由なスタイルを実現するSHORT SLEEVE SHIRTS、エレガントなシルエットを持つSEMI-WIDE PANTSなど多岐にわたる。どれも、着ることで得られる心地よさを追求し、長く愛用されることで個々の風合いへと変化する楽しみを提供している。
世界への展望
「YOSHITO」の物語は、日本国内に留まらず、パリの舞台へと広がっていく。初披露は、パリのパレ・ロワイヤルで開催されたアートイベントで、世界のダンサーたちが製品を纏い、その動きの美しさを表現した。このように、ファッションをただの衣服に留めず、多様な表現方法で展開する意欲を見せている。
今後も「YOSHITO」は、アートやクリエイティブな活動を通して、「Re Built」の哲学を広めていく。このブランドは、葦の持つ生命力のように、常に進化し続け、新たな価値を創造していく。
終わりに
「YOSHITO」は、素材の再生と持続可能なファッションを目指し、日常の中で静かに存在感を放つ衣服を提供する。これからの時代にこそ求められる価値観を具現化して、このブランドは新たなライフスタイルを示していくであろう。