KDDIとサムスン、オープンRANを日本に導入
韓国のサムスン電子(Samsung)は、2024年にKDDIが日本で展開するオープンRANプロジェクトにおいて、主要なベンダーとして選ばれたことが明らかになりました。この提携により、KDDIは次世代の無線アクセスネットワーク技術を採用し、4Gおよび5GのオープンRANを支える仮想化無線アクセスネットワーク(vRAN)ソリューションの導入を加速します。
この新たな協力関係の目的は、エネルギー効率の向上やパフォーマンスの最適化、さらにインテリジェントな自動化を実現することです。KDDIは2025年以降、サムスンのvRANを活用し、オープンRANの展開をさらには広げていく計画です。KDDIの吉村和幸CTOは、「今回は、サムスンのような業界のリーダーとの共同作業に注力した結果だ」と述べ、オープンRANの普及に向けた取り組みを強調しました。
サムスンの革新的技術
サムスンは、vRAN 3.0をはじめとし、先進的なMassive MIMO無線機やサードパーティ製品の統合サポートを備えた、非常に充実したネットワークソリューションを提供する予定です。これにより、KDDIの無線アクセス環境はより効率的になると見込まれており、自動化された運用を実現するSamsung CognitiV Networks Operations Suiteも導入されます。このソリューションは、ネットワークの導入から運用に至るすべてのプロセスをスムーズにし、広範なネットワークを変革する助けとなります。
サムスンはさらには、Hewlett Packard Enterprise社、Intel社、Red Hat社との連携を通じて、KDDIのニーズに応じた柔軟かつ強固なネットワーク展開を目指します。この協業は、サムスンが持つ世界最高水準の知識と技術を基に、KDDIがオープンRANにおいてリーダーシップを確立する手助けをするものです。
日本での先駆的な取り組み
KDDIとサムスンは2021年から連携を始めており、東京都心では世界で初めて商用の5GスタンドアロンオープンRANサイトを立ち上げました。これまでの取り組みを通じて、両社はオープンRANとvRANの領域で国際的な地位を確立しています。サムスンは、仮想化された5GのRANに関しても絶え間ない進化を遂げており、業界内で多くの称賛を得ています。
Omdia社の主席アナリストは、オープンRANとvRANはモバイルネットワーク革新の核心であり、サムスンがそのリーダーシップを保持し続けることに期待を寄せています。KDDIとの協業は、この方向性を一層強固にするもので、日本の顧客に高度なサービスを提供し続けるための重要なファクターです。
先進的なエンドツーエンドソリューション
サムスンは、チップセットや無線機、コアネットワークに至るまで、5Gエンドツーエンドソリューションを提供できるパイオニアとして知られています。新しい市場のニーズに応じた多様な製品ポートフォリオを備え、AIを活用した自動化ツールまで展開し、ネットワークの進化を牽引しています。これにより、何億ものユーザーに対して、安定した接続性を提供することが可能になっています。
KDDIとサムスンの提携は、オープンRANの導入により、日本の通信業界の未来を切り開く重要な一歩として注目されています。今後の展開に期待が高まります。