2024年8月に行われた総合求人サイト『イーアイデム』の会員を対象にした調査が興味深い。調査では、特に非正規雇用を希望する求職者の社会保険加入に対する意識や、国民年金第3号被保険者制度に関する賛否が浮き彫りになった。
まず、国民年金第3号被保険者制度についての調査結果を見てみると、全体の73.7%が賛成またはどちらかと言えば賛成であることがわかった。具体的には「賛成」が29.5%、「どちらかと言えば賛成」が44.2%と、賛成意見が多くを占めた。特にこの制度は、年収130万円未満の配偶者がいる人々が主な対象で、保険料を自己負担せずに基礎年金を受け取ることができる制度である。しかし、女性の意見は他の属性に比べて反対意見が多く、特に30.6%が「どちらかと言えば反対」または「反対」と答えていることが注目される。これは制度が女性に関連する割合が高いことに加え、女性の収入や家族状況によって不公平感が生じているためかもしれない。
次に、非正規雇用希望者に焦点を当ててみると、社会保険への加入意向についての質問では「社会保険加入有無にはこだわっていない」との回答が40.4%に達し、次いで「社会保険に加入できる仕事につきたい」としたのは37.0%であった。「社会保険が適用にならない職場、範囲で働きたい」との意見も11.8%を占めているが、この比率は年々減少傾向にある。特に年代別に見ると、50代は53.1%が社会保険に加入したいと考えており、40代は「社会保険が適用にならない職場に働きたい」という意見が24.1%と高いことが分かった。これは、就労の形態やライフスタイルの違いを反映した結果と言える。特に30代以下では、56.8%が「わからない」との回答をしており、雇用形態や条件に対しては未確定の立場にあることが示されている。
応募件数について尋ねると、全体の37.6%が「2~5件」と回答し、31.0%が「良い条件があればすべて応募したい」と回答した。特に正社員希望者の中では、条件が良ければとにかく応募すると答える人が4割に達した。
応募前の情報収集に関しては、45.2%が企業のホームページを探し、28.3%が求人サイトを複数利用する傾向が見られ、企業の口コミを重視する人も25.1%に達した。特に30代以下では、最新情報を得るためにニュースサイトで企業名を検索する人が非常に多かった。
これらの調査結果は、求職活動の現状を理解する上で重要な情報を提供しており、特に女性の意見を無視することはできない。今後、社会保障制度の在り方や労働環境の改善に向けた議論が求められる。調査は株式会社アイデムが実施したもので、信頼性の高いデータであると言える。今後、若者を含めた多様な雇用形態に対する理解を深め、より良い働き方を模索していく必要がある。これらの調査結果が、今後の社会の仕組み改善に向けた重要な第一歩になることを期待したい。