アロイ・セラピューティクスと武田薬品が細胞治療開発で提携、未来のがん治療へ前進
アロイ・セラピューティクスと武田薬品の革新的提携
2024年11月、米国ボストンに本社を置くアロイ・セラピューティクスが、日本の武田薬品工業との提携を発表しました。これはiPS細胞由来のCAR-T細胞およびCAR-NK細胞の治療プラットフォームの開発に関連したものです。この提携により、両社は悪性の固形腫瘍や血液腫瘍をターゲットにした新たな治療法を模索し、その実現に向けての共同開発を進めていくこととなります。
先端技術の結集
アロイが手掛けるiCAR-T技術は、京都大学のiPS細胞研究所(CiRA)と武田薬品が10年以上にわたって共同研究を行ってきた成果です。この成果は、ノーベル賞受賞者である山中伸弥教授の指導の下で開発されました。iCAR-Tでは、CiRAの金子新教授の研究室によって発見されたiPS細胞由来の免疫細胞を利用しています。この技術は、従来の自己細胞療法に比べて、患者さんにとってより効率的で、製造コストの大幅な削減も期待できるとされる「オフ・ザ・シェルフ」な細胞療法の開発に寄与します。
武田薬品のR&Dジャパンリージョンヘッド、梶井靖氏は、今回の提携について「iCAR-Tは、武田とCiRAの共同研究プログラムT-CiRAから生まれた主力プロジェクトであり、さらに発展するタイミングに来ている」と語っています。その上で、アロイの企業文化や患者中心のアプローチに共感しており、今後の技術の進展を期待しています。
未来の商業化への一歩
本提携により、アロイはがん領域においてiCAR-TおよびiCAR-NK製品の商業化に関する共同独占権を獲得します。アロイは独自のビジネスモデルに基づき、これらの細胞治療法をさらに進化させ、アカデミアやバイオベンチャー、製薬企業との連携を深めることで、固形腫瘍を含むがん治療法を開発するための技術へのアクセスを拡大する計画です。
アロイの会長兼CEOエリック・アンダーソン氏は、武田薬品との協力を通じてiPS細胞の可能性を追求することを大変光栄に感じており、革新的な創薬を迅速に進めることを目指しています。
日本法人の設立
提携を進める中で、アロイは神奈川県湘南ヘルスイノベーションパークに日本法人を新たに設立し、石井喜英氏が代表に就任します。この新法人はアロイの細胞治療部門を担当し、将来的な治療開発に向けた活動を展開していく予定です。
この提携は、がん治療に新たな可能性をもたらし、次世代の治療法の実現に大きく寄与することが期待されています。アロイ・セラピューティクスと武田薬品の協力が、医療の現場にどのようなインパクトを与えるのか、今後の展開に注目です。
まとめ
アロイと武田薬品の提携は、革新的な細胞治療法の開発に向けた重要なステップです。両社の連携によって、がんに対する新たなアプローチが広がり、多くの患者に恩恵をもたらすことが期待されます。この新しいパートナーシップが、未来のがん治療の選択肢を広げる手助けとなることでしょう。
会社情報
- 会社名
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Alloy Therapeutics, Inc.
- 住所
- 275 Second Ave, Suite 200, Waltham, MA 02451 .U.S.
- 電話番号
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