2025年4月の消費意欲指数を検証
株式会社博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所は、毎月、20~69歳の男女1,500名を対象に消費意欲に関する調査を実施しています。この調査結果をもとに「来月の消費予報」として発表されるデータが今回、2025年4月の消費意欲指数として示されました。
消費意欲指数の現状
2025年4月の消費意欲指数は46.5点となり、前月比では+2.5ポイントの上昇が見られました。これに対して前年比では-1.3ポイントの低下があり、消費意欲は若干不安定な状況です。今年の4月は、春の訪れが感じられ、新しい生活や年度に向けた消費意欲が高まる時期ですが、物価高の影響を受け、特に女性の消費意欲が前年よりも低下しています。
性別による影響の違い
男女別のデータをみると、男性の消費意欲指数は前月比で-0.6ポイント減少しているのに対し、女性は-2.0ポイントと、より厳しい状況です。消費に関する自由回答を分析すると、ポジティブな意見がわずかに増加する一方で、ネガティブな意見も減少する傾向が見られます。ポジティブな意見の中では、春物の衣服や新生活に向けた準備など、季節的な意欲の高まりが顕著です。
物価高の影響
しかし、物価高や円安に関する意見は増加傾向にあります。特に女性の消費者は前年に比べて物価の影響をより強く感じており、消費を控える傾向が明確になっています。具体的には、物価高に関する意見は前年の約2倍に跳ね上がっており、特に女性の数値が目立っています。
消費意向のカテゴリー別分析
また、「特に買いたいものや利用したいサービスがある」と感じている人の割合は29.3%で、前月比で0.6ポイントの増加を示しました。、ただし、旅行、化粧品、ファッションといった「アウトドア向け」のカテゴリーでは前年に比べて減少傾向が見られ、4月は落ち着いた消費の状況となる可能性が高いです。
このように、2025年4月は新生活の準備が進む一方で、物価高が消費行動に影響を及ぼしています。消費者が求めるものと与えられる市場環境との間にギャップが存在する現状では、今後の消費動向にますます注目が集まることでしょう。
この調査の詳細なレポートは、博報堂のニュースリリースページからアクセスいただけます。また、興味のある方は生活総研のホームページからデータをダウンロードしてみてはいかがでしょうか。