沖縄のフードリボンがTSIホールディングスと提携
沖縄県に拠点を置く株式会社フードリボンが、アパレル業界の大手であるTSIホールディングスと新たな業務提携契約を締結し、未利用農作物から天然繊維を製造する取り組みを強化します。この協業は、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となります。
背景
パイナップルやバナナなど、果実生産が盛んな地域では、葉や茎といった副産物が大量に廃棄されています。これらの廃棄物から抽出される繊維には、衣料品として利用する可能性があるものの、生産効率の悪さや品質の課題から現在まで広く普及していませんでした。そこで、フードリボンは2019年から研究開発を行い、先進的な繊維抽出装置を小型化することに成功。これにより、農地でその場で加工し、より効率的に繊維を生産することが可能となりました。
開発成果
新たに開発された繊維抽出装置は、農家が葉や茎を収穫後すぐに機械に投入することで連続的に繊維を抽出できます。これによって生産性が驚くほど向上し、従来は高コストや環境負荷の原因となっていた輸送の必要も大幅に削減。さらに、繊維へのダメージを最小限に抑えるこの新技術は、品質の向上にも寄与します。フードリボンはこの技術を活かし、沖縄を天然繊維の中心地に育て、さらには東南アジア諸国での農家の所得向上を目指すSDGsプロジェクトとして展開する計画です。
提携の意義
TSIホールディングスは、今回の事業に大きな関心を寄せており、製品化に協力する形で業務提携を結びました。年内にはインドネシアでの繊維抽出を開始し、その後もフィリピンやタイなどへ展開を計画。見込まれる発展の中で、地域の農家は新たな収入源を得られることになり、持続可能な社会に向けた貢献が期待されています。
フードリボンと提携することにより、TSIホールディングスは環境への配慮を裏付ける製品を生み出し、企業としての社会的責任を果たすことになります。また、製品のバックグラウンドを消費者に訴求し、サステイナブルなライフスタイルを提案する機会でもあります。
これからもフードリボンは、この新しい技術を利用して持続可能なビジネスモデルを創出し、環境保護と地域貢献を両立させた取り組みを続けていくことを宣言します。
会社情報
- 本社:東京都港区赤坂8-5-27 住友不動産青山ビル
- 設立:2011年
- 資本金:150億円
- 代表者:代表取締役社長 下地毅
- HP:
TSIホールディングス
- 本社:愛知県名古屋市中区錦二丁目15番15号
- 設立:1841年
- 資本金:30億円
- 代表者:代表取締役社長 豊島 半七
- HP:
豊島株式会社
- 本社:沖縄県国頭郡大宜味村字饒波2216番地1
- 設立:2017年
- 資本金:4000万円
- 代表者:代表取締役社長 宇田 悦子
- HP:
フードリボン
この取り組みを通じて、沖縄が持つ豊かな資源を有効活用し、持続可能な未来を切り拓く希望が広がっています。