地元の嫌われ魚を美味しく活用する「黒鯛プロジェクト」
岡山県玉野市で始まった「黒鯛プロジェクト」は、地域の漁師が抱える悩みを解決するために立ち上げられた新たな取り組みです。海苔を食い荒らす“嫌われ者”の黒鯛が、わずか4ヶ月で700kgの流通量を超え、地元経済に貢献しています。このプロジェクトでは、地元の高齢漁師から高値で黒鯛を買い取る仕組みを構築し、飲食店への卸売を行っています。
黒鯛の美味しさを再発見
このプロジェクトは、美味しい黒鯛を広く知ってもらうことを目的としています。また、漁師の手取りを増やすだけでなく、地元の飲食店が黒鯛を使ったメニューを提供することで、消費者に新たな味の魅力を伝えようとしています。具体的には、黒鯛を約400円/kgで地元漁師から買取り、600円/kgで飲食店へ卸しています。これにより、高齢漁師の手取りが約2倍になっています。
地域との協力が生み出す成果
参加する飲食店は9店舗に及び、黒鯛の認知度が高まる中で、その需要も増加しています。地元漁業協同組合の組合長、國屋利明さんは、「美味しい黒鯛が少しでも高く売れることが嬉しい」と語っています。また、このプロジェクトは単に販売を促進するだけでなく、地域の生態系を守る一助とも考えられています。
飲食店の取り組み
例えば、「Mods6株式会社」代表の立川和也さんは、自店で黒鯛を利用した新しいメニューを考案し、多くのお客様に楽しんでもらえる機会を提供しています。「黒鯛プロジェクト」の始動によって、様々な飲食店が連携し、地域内での流通が活発化しました。
物流の効率化にも貢献
さらに、2024年から適用される物流の新たな規制に対する対応策として、地産地消が重要となっています。プロジェクトでは、黒鯛を水揚げ場所から10km圏内の飲食店へ自社で直接卸すことで、物流コストの削減や魚の鮮度を保つ取り組みも進めています。
今後の展望
このようなプロジェクトは、漁業従事者の高齢化が進む現状に対抗する策にもなると考えられています。プロジェクトは更なる拡大を目指し、地域の漁師と飲食店の連携を強化し、地元の美味しさを多くの人に伝える活動を続けていく方針です。私たちもこの日本海の味覚、黒鯛を味わう絶好の機会をお見逃しなく!