2024年 年賀状の実態調査
パーソルキャリアグループの調査機関、Job総研が実施した「2024年 年賀状の実態調査」の結果は、年賀状文化が急速に衰退している実態を示しています。この調査においては、614人の職に就いている男女が対象となり、年賀状を送らない理由やその背後にある心情が明らかにされました。結果として、驚くべきことに全体の69.1%が今年の年賀状の送付を予定していないと回答しました。
年賀状の贈答件数の減少
コロナ禍前の2019年には86.6%が年賀状を送っていたのに対し、2023年にはその数字が25.7%に激減しました。このような減少傾向は年賀状という文化に対する社会的な価値を問うものとして解釈されます。特に20代の若者においては「送らない派」が77.7%という高い数字を示し、SNSの普及により、コミュニケーションの手段が多様化から来る、年賀状の必要性を感じられなくなったことが背景にあると考えられます。
SNSの影響
調査によると、年賀状を送らない理由として最も多かったのは「SNSで済ませるのが楽」というもので、49.7%がこれを理由としました。デジタル化が進む現代において、年賀状は手間がかかる古い習慣として捉えられています。また、年賀状の廃棄に関するリスク意識も高まっていることが分かりました。実際に、77.3%が年賀状を捨てることに対して「捨てづらい」と感じているとのことです。
個人情報漏洩の懸念
さらに、年賀状のデザインや内容には個人情報が記載されることが多く、これに対する危機意識も調査結果から浮かび上がります。受け取った年賀状の廃棄や保管時における個人情報の漏洩リスクを感じる人が52.6%を占め、特に年末年始は家を空けることが多いため、より一層の心配があるようです。個人情報の観点からのリスクが高まっているこの時代に、年賀状文化は複雑な状況に直面しています。
義務感と年賀状文化の未来
調査結果の中で興味深いのは年賀状に対する義務感の存在です。全体の59.4%が年賀状に対して「義務を感じる」と答えており、年賀状だけの関係の相手とは「3年以上会っていない」という背景も見えます。しかし、年始の挨拶に対する考え方は多様で、全体の64.2%が「年始の挨拶は必要だと思う」とし、デジタル化を駆使した新しい形の年始のコミュニケーションが求められているのではないかと考えられます。
結論と今後の展望
この調査から、2024年の年賀状文化はコロナの影響を大きく受けており、SNSやデジタルツールの登場によって伝統的な形が変わりつつあることが分かりました。年賀状の必要性を問う声が高まる中で、デジタル時代に適応した新しい年始の挨拶のあり方が模索される必要があると言えるでしょう。今後の年賀状文化がどのように変化を遂げていくのか、注目が集まります。
これからもJob総研では、社会や企業、個人の視点から見た調査を続け、新しい発見を提供していくことを目指します。年賀状文化の変化について、これからも追い続けていきます。