インバウンド旅行客受入拡大に関する意識調査結果
(一社)日本旅行業協会(JATA)は、2025年に向けたインバウンド旅行客受入拡大を目指して実施した意識調査の結果を発表しました。この調査は、観光業界のさまざまな関係者を対象にしており、約3,687万人の旅行客受け入れを見込んでいる2024年に向けた準備の一環でもあります。
調査概要
調査は2023年から2025年までの間に四回行われ、各回の実施期間は以下の通りです。
- - 第1回調査: 2023年8月1日~8月23日 / 回答数: 1,094件
- - 第2回調査: 2024年2月1日~2月26日 / 回答数: 1,094件
- - 第3回調査: 2024年7月1日~7月22日 / 回答数: 1,161件
- - 第4回調査: 2025年7月1日~7月24日 / 回答数: 1,107件
インバウンド受け入れの現状
今回の調査結果によると、インバウンド旅行客を受け入れる意欲に関して、前回よりも肯定的な回答が11ポイント減少し、33%に留まっています。これは、すでにインバウンドを取り扱っている事業者が増えていることを反映している可能性があります。しかし、受入れに関しては「人手不足や人材不足」が依然として主な課題です。これは、観光業全体に共通する大きな問題です。
人気の旅行シーズン
インバウンド旅行客が訪れる時期では、特に春と秋が人気です。春季の桜や秋の紅葉が旅行者を惹きつけており、この傾向は伸長しています。両季節の人気が高まる中、その対策を急ぐ必要がありそうです。
旅行スタイルの多様性
旅行のスタイルについては、個人レジャーや団体レジャー、MICE(企業の会議やイベント)等が前年よりも増加しています。この結果は、インバウンド旅行市場が多様化し、さまざまなニーズに応えるための準備が進んでいることを示しています。
新たな取り組みと課題
調査では、旅行関連の新しい取り組みにも目を向けられ、高付加価値の旅行やガストロノミー(食文化を楽しむ旅行)が特に注目されています。また、スポーツツーリズムの人気も高まっており、特にスノーツーリズムが注目を集めています。しかし、課題としては国や自治体の支援が不可欠であり、広域での協力が求められます。
環境への配慮
最近では、カーボンニュートラルや脱炭素への取り組みも進んでいます。調査によると、観光関連事業者の25%が何らかの環境対策を実施しており、特に宿泊業者が36%と最も多く取り組んでいることが分かりました。これは観光業界が環境問題に敏感になっている証拠です。
まとめ
インバウンド旅行の未来は明るいものの、さまざまな課題も存在します。人手不足の解決、シーズナリティへの対応、そして環境問題への配慮が今後の重要なテーマとなるでしょう。観光業界がこれらの課題にどう取り組んでいくのか、注目が集まります。