ヘッドウォータースが「AI Challenge Day」で輝く
株式会社ヘッドウォータースが、第4回「AI Challenge Day」で準グランプリを受賞しました。このイベントは、ECサイトに特化した次世代の顧客体験をテーマに、日本マイクロソフト株式会社と株式会社角川アスキー総合研究所が主催した技術コンペティションです。12チームが参加し、多様なAIソリューションが競い合いました。
「AI Challenge Day」とは
「AI Challenge Day」は、企業が短期間で構築した生成AIソリューションの完成度を競う場です。このプロジェクトでは、参加者がMicrosoft Azureを活用して、ECサイトにおけるユーザー体験を向上させるアシスタント技術を提案しました。各チームは、想像力を駆使して独自の技術を開発し、評価を受けました。当イベントの詳細は、ASCIIの公式サイトにて確認できます。
ヘッドウォータースの提案内容
ヘッドウォータースのチームは、オンラインショッピングの際にユーザーが抱える「多様な選択肢による負担」に着目しました。彼らは、AIを通じて「ハイパー・パーソナライゼーション」を実現し、「探す」行為をAIに委ねることで、リアル店舗さながらの体験を目指しました。具体的な取り組みには、以下のような工夫がありました。
1. アーキテクチャの革新
- - エージェントに固有のIDを付与し、Microsoft Entra Agent IDとRBACを用いた柔軟な権限制御を提案。
- - PostgreSQLのApache AGEを使って、パーソナライズ情報をGraphDBに保存し、情報の長期記憶を実現。
- - MCP連携を利用してエージェントを接続。
- - Azure Well-Architected Frameworkに基づいて、安定性、拡張性、セキュリティを確保した設計。
- - AIを「共に働く人材」と位置づけ、役割や成長設計を組み込んだ構成。
2. カスタマーストーリー(ユーザーの視点)
- - 購買体験を「探して、迷って、買う」から「託して、導かれる」ものへシフト。
- - 商品説明やレビュー、対話履歴を統合し、ユーザー毎に最適化された提案を生成するナレッジグラフを構築。
- - ユーザーが「自分にぴったりの提案を自然に受け取る」ストレスフリーな体験を提供。
3. カスタマーストーリー(店舗の視点)
- - 店舗の役割が「商品販売」から「AIエージェントの育成・管理」に移行。
- - エージェントの提案力や品質を調整し、自律的に学習する仕組みを導入。
- - 人とAIが共同で、よりよい購買体験を持続的にデザイン・改善するサイクルを確立。
4. ユーザーインターフェースの工夫
- - Generative UI技術を使用し、文脈に応じてUIを自動生成・最適化。
- - テキストだけでなく、画像・音声にも対応するマルチモーダルデザインを採用し、多様なユーザー接点を確保。
- - ユーザーの属性や嗜好に基づいて表示内容を変え、一貫した体験を提供。
これらの独自のアプローチにより、ヘッドウォータースのチームは180.8点という高得点を獲得し、準グランプリに輝きました。
プロジェクトチームの紹介
プロジェクトチームは、エンジニア5名で構成され、AI/生成AIアプリケーションの開発に精通したメンバーで集まりました。各エージェントに特定の役割を持たせ、ユーザーの文脈を理解・引き継ぐ設計を行うことで、スムーズな対話と的確な提案を実現しました。メンバーは次の通りです:
- - 野口 修
- - 竹石 興紀
- - 池内 隆人
- - 水谷 隆一郎
- - 竹川 智貴
今後もヘッドウォータースは、AIを活用した革新的なソリューションを追求し続け、顧客体験の向上に貢献していくことでしょう。