横手市がDX活用の図書館蔵書点検ロボットの実証実験を開始
秋田県横手市で、今後の図書館業務の効率化を目的とした新たな取り組みが始まります。横手市と民間企業による協力により、ICタグを活用した蔵書点検ロボットの実証実験が実施されることが、令和3年12月24日に発表されました。この実験は、官民連携の下、図書館の抱える課題を解決するための画期的な取り組みです。
実証実験の背景と目的
横手市は、図書館運営において抱える様々な課題を解決するため、保有する蔵書データを基に、ロボットによる業務自動化を進めることを目的としています。今回の取り組みに参加するのは、株式会社ソフエル、金剛株式会社、そしてサウスフィールド・マネジメント株式会社です。
ソフエルは日本国内でのUHF帯ICタグの導入実績が豊富で、図書館へのICT機器提供を行っています。金剛は、図書館に向けたロボットを開発しており、これまでに成功した実証実験をもとに、新しい蔵書点検機能を追加しています。そして、サウスフィールドは、行政と民間企業の橋渡しをしながら、地域の課題解決を図る役割を担います。
実証実験の内容
実証実験は、横手市雄物川図書館で行われます。同館は約729㎡の広さを誇り、11万冊もの蔵書を保有しています。今回の実験では、2万冊の図書をICタグ化し、ロボットを利用して高精度の蔵書点検を実施します。これにより、市民がより快適に図書館を利用できるようにし、夜間の蔵書点検や不明本の検索なども行う予定です。
ロボットは、JSPフロアロボット「PEANUT(ピーナッツ)T1」を使用し、蔵書点検業務を強力にサポートします。これにより司書の作業負担が軽減され、図書館全体の運営効率が改善されることが期待されています。
参加企業の役割
それぞれの企業は、以下の役割を担います。
- - 横手市: 実証実験のフィールドとして雄物川図書館を提供し、必要な環境を整備。
- - 株式会社ソフエル: ICタグ関連機器を提供。
- - 金剛株式会社: ロボットに関連する機器を供給。
- - サウスフィールド・マネジメント株式会社: プロジェクトの管理と進行。
今後の展望
実証実験は、効果検証を行い、得られたデータを基にさらなるICタグシステムの導入と図書サービスの向上について協議を進めていく予定です。この取り組みを通じて、横手市では市民にとって使いやすい図書館の実現を目指します。
これを契機に、他の図書館でも類似の取り組みが広がっていくことが期待され、今後の発展が注目されます。