三鷹市で始まる新たな認知症予防プロジェクト
株式会社CogSmartの新しい取り組みがこのたび三鷹市で始まります。このプロジェクトは、東京都が実施する多摩イノベーションエコシステム促進事業の一環として位置づけられ、脳の健康状態チェックから認知症の早期予防介入を目指す総合サービスの検証が行われます。
プロジェクトの概要
CogSmartは、東北大学加齢医学研究所の研究成果を基に、AIを用いて海馬の大きさを測定する脳検査「BrainSuite®」を展開しており、それに対応する海馬育成アプリ「BrainUp®」も開発しています。今回の実証事業は、三鷹市福祉Laboどんぐり山、NTTコミュニケーションズ株式会社、野村不動産ライフ&スポーツ株式会社との協力によって行われます。
対象は三鷹市に在住または在勤の40歳から74歳の方々で、日常の生活の中で認知症対策についての気づきを提供し、具体的な対策を実行に移す手助けをする内容となっています。
具体的なサービス内容
このプロジェクトでは、以下のような多様なサービスを通じて、認知症予防を支援します:
1.
脳の健康チェック:NTTコミュニケーションズが提供する電話を活用した簡易な認知機能チェックサービスによって、参加者は自分の認知機能の状態を確認することができます。
2.
BrainSuiteによる脳検査:海馬MRI検査を通じて脳の健康状態を測定し、その結果に基づいて生活習慣改善のアドバイスを行います。また、海馬育成アプリ「BrainUp」を通じた運動促進も行います。
3.
運動プログラムの提供:野村不動産ライフ&スポーツ株式会社が運営するメガロス三鷹店で、個々の体力に応じた運動プログラムも紹介されます。
見込まれる効果
このプロジェクトの背景には、多摩地域における高齢化率の上昇があり、2022年時点で25.5%となっています。この高齢化を背景に、認知症リスクは加齢と共に増加しますが、生活習慣を改善することでそのリスクを低減できることが分かっています。
特に、40代でも高血圧や肥満、過剰な飲酒といった生活習慣は認知症のリスクを高める要因となっており、未然にそのリスクを低減することが急務とされています。しかし、生活習慣の行動変容をどのように促進し維持するかは大きな課題です。これを解決すべく、今回の協同プロジェクトが重要な役割を担います。
プロジェクトの期待される成果
このプロジェクトは、「認知症にやさしいまち 三鷹」の推進を志向しており、実施を通じて得られた成果が健康長寿を促進し、ひいては将来的な医療費の抑制にもつながることが期待されています。
令和7年度以降には、多摩ニュータウンを中心にプロジェクトの拡大を目指しているとのことです。今後もこの取り組みに注目が集まります。
組織の意気込み
三鷹市福祉Laboどんぐり山の前田裕章所長補佐は、自治体としても住民の生活習慣の改善に寄与することが重要であるとし、プロジェクトの成果が地域の健康に寄与することを期待しています。また、NTTコミュニケーションズの久野誠史室長は、認知機能低下に対する関心を喚起し、早期の行動変容を促すことに努める意気込みを示しています。野村不動産ライフ&スポーツの桑原崇部長も、地域の健康増進に貢献することを約束しています。
まとめ
高齢化社会における認知症予防対策は急務です。本プロジェクトがそれに対する有効な解決策となることが期待され、今後の展開に注目が集まります。