新たな水素供給技術
2025-09-10 11:33:22

水素エネルギーの新時代、浮体式アンモニアクラッキング設備が基本承認を獲得

水素エネルギー供給の新たなカタチ



近年、脱炭素社会の実現に向けた水素エネルギーの需要が高まる中、株式会社商船三井をはじめとする企業が共に革新的な技術を開発しました。この度、商船三井、HD Korea Shipbuilding & Offshore Engineering Co., Ltd.、そしてHD Hyundai Heavy Industries Co., Ltd.の三社が共同で開発した浮体式アンモニアクラッキング設備が、ロイド船級協会から設計基本承認(AiP)を受けたことを発表しました。

アンモニアを利用した水素供給システム



この新技術は、アンモニアを熱分解して水素と窒素に分けるプロセスを船上に搭載することで、洋上から直接陸上へ水素を供給することを可能にします。1日に最大1,000トンの水素を供給できるこの設備は、新たな水素供給の選択肢を提供するだけでなく、特に陸上基地の建設が困難な地域でのクリーンエネルギーの安定供給を実現します。

背景と進捗状況



このプロジェクトは、Kellogg Brown & Root LLCとの協力で、アンモニア分解のプロセスとモジュールの設計を進めており、さらに、Amogy Inc.との共同開発により新触媒技術の適用が行われています。このように、複数の企業が連携して進めているこのプロジェクトは、技術革新と市場への対応を同時に目指すものです。

実際、近年の水素需要の高まりを受けて、安定供給のためのサプライチェーンを整備することが急務となっています。特に、洋上からの水素供給は、従来の方法では難しい地域においても新たな可能性を切り開くものとなるでしょう。

AiP授与式の開催



なお、AiP授与式は2023年9月9日にイタリア・ミラノで行われた「Gastech Exhibition & Conference 2025」にて執り行われ、多くの関係者が集まりました。当日は、商品開発に関わる企業の代表者や専門家たちが一堂に会し、このプロジェクトに対する期待と可能性を語りました。出席者には、商船三井の常務執行役員やロイド船級協会のCOOなど、業界のエキスパートが含まれており、同プロジェクトの意義が再確認されました。

今後の展望



この全プロジェクトの成功が実現すれば、クリーンエネルギーの普及を加速させるだけでなく、水素エネルギーの長期的なサプライチェーンの一環として機能するでしょう。脱炭素化の波に乗り、浮体式アンモニアクラッキング設備は、次世代の水素エネルギー供給システムとしての役割を果たすことが期待されています。

水素エネルギーの未来は強い関心を集めており、今後の進展に目が離せません。


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会社情報

会社名
株式会社商船三井
住所
東京都港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル
電話番号

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