60代シニア層の就業ニーズに迫る調査結果
近年、シニア層の働く意欲が注目されています。特に60代の高年齢者が持つ知識や経験を活かしながら活躍できる「生涯現役社会」を実現することが求められています。全国で展開される「キャリア人材バンク事業」を通じて、シニア層への職業紹介を行っている産業雇用安定センターが、現在求職活動中の60代男女を対象としたアンケート調査を実施しました。本記事では、その調査結果をもとにシニア層の働き方の実態に迫ります。
調査結果の概要
調査は2023年11月に、民間調査会社に委託しWEBアンケート形式で実施されました。約1,000件の回答を元に、シニア層がどのような就業ニーズを抱えているのか浮き彫りになりました。以下の点が特に注目すべきポイントです。
1.
重視する条件
シニア層が仕事を探す際に重視するのはまず「仕事内容」と「職場の働きやすさ」であり、給料に関する関心はやや低い結果が出ています。このことは、シニア層が安定した環境で、長年の経験を活かせる仕事を求めていることを示しています。
2.
働き方の希望
特に男性の60~64歳では、約半数が週5日以上の勤務を希望しています。一方で、女性や65~69歳のシニア層では、勤務日数が週4日以下の希望者が7割を超えています。労働環境に対する考え方の違いが見られ、高年齢者がどれほど働きやすいジョブを求めているかがわかります。
3.
希望する仕事の種類
事務職への希望が特に高く、事務補助や学校の校務支援といったサポート的な仕事が人気とされました。これらの職種は、シニア層の経験を最大限に活かすことができる場であるため、今後の就業機会の創出に繋がることでしょう。
4.
人手不足の分野
ただし運輸、警備、介護福祉などの人手不足が叫ばれている分野に関しては、シニア層からの希望度は低い結果が出ています。しかし、業務の内容を見直しシニアが活躍できる形にすることで、人手不足の緩和が図れる可能性があると期待されています。
産業雇用安定センターの取り組み
産業雇用安定センターは、今後もシニア層の再就職を支援するだけでなく、「失業なき労働移動」を実現するため、企業と求職者の橋渡しを続けていく方針です。就業機会が多様化する中、シニア層が活躍できる社会を目指して取り組む姿勢は、今後の日本社会においても重要な意義を持つことでしょう。
まとめ
シニア層の就業ニーズに関する今回のアンケート調査は、高年齢者が自身の経験を最大限に活かし、働く意欲を持っていることを示しています。今後、このような実態を基にした支援や制度の整備が求められます。調査結果の詳細については、
こちらのPDFをご覧ください。