シェフラーの新たな後輪ステアリングシステム生産体制
シェフラーがドイツOEM向けに後輪ステアリングシステムの量産を開始しました。2025年第1四半期よりスロバキアのキズーチェ工場で、メカトロニクス・ステアリングシステムの生産が始まり、今後のモビリティのニーズに応じた製品を提供します。シェフラーAGパワートレイン&シャシー事業部のCEO、マティアス・ツィンク氏はこの新体制が革新的なシャシー技術として重要な役割を果たすと述べています。
グローバルな顧客重視の製品開発
シェフラーは、世界55カ国250以上の拠点を持ち、お客様に近い場所での製品開発を続けています。後輪ステアリングは、2022年末から自動車メーカー向けに量産を開始し、現在は欧州、中国、北米の3つの工場で7車種に採用されています。さらに2027年には6車種が追加される予定です。こうした取り組みを通じて、シェフラーは顧客ニーズに迅速に対応しています。
内製比率の引き上げと技術革新
シェフラーのパワートレイン&シャシー部門は、昨年のヴィテスコ・テクノロジーズとの合併を経て、エレクトロニクスおよびセンサー技術の知見を活かした製品開発を加速しています。内製化の進展により、開発サイクルの短縮やシステム全体の技術力向上が可能になりました。クレモン・フェルツ氏は、後輪ステアリングがこの内製比率向上の成功例であると述べ、競合製品に対する明確な差別化要因としてその技術を強調しています。
コンパクトな設計と高効率性
後輪ステアリングシステムは、プラネタリーローラーギアと電動モーターを組み合わせた高精度なメカシステムに基づいています。この技術により、ラクに操縦できる性能を実現し、運転時の安全性や操作性の向上に寄与しています。狭い場所での駐車など、実用性にも優れた設計が特長です。
ステアリングシステムが評価される
今春、シェフラーの後輪ステアリングシステムは「Automotive News PACE Award 2025」を受賞しました。この賞は革新性と技術的進歩に基づくもので、シェフラーの業績を示すものとして、自動車業界内での信頼性を高めています。
今後の展望と展示会の参加
シェフラーは、2025年にミュンヘンで開催される国際モーターショー「IAA Mobility 2025」に出展し、後輪ステアリングシステムを含む革新的な技術を紹介します。この展示では最新のモビリティ技術を通じて、さらなる発展を目指します。詳細はシェフラーの公式ウェブサイトにて確認できます。
まとめ
シェフラーの後輪ステアリングシステムは、自社内での製品開発と製造を進めることで、将来のモビリティにおける新たな価値を提供しています。しっかりとした開発戦略に支えられた、この新たな生産体制は今後の自動車業界に大きな影響を与えることが期待されます。彼らの今後の動きに注目です。