宇宙に魅了された高校生が書くエッセイ
宇宙の神秘を解き明かすべく、井上榛香さんが描くエッセイ『宇宙(そら)を編む ──はやぶさに憧れた高校生、宇宙ライターになる』が2025年1月31日に小学館から発売される。この本は、宇宙ライターとして活動する著者が自身の経験をもとに、宇宙への情熱や取材の裏側を語るものだ。
井上さんが宇宙に興味をもったきっかけは、彼女が抱いた「はやぶさ」の夢。高校時代にこのプロジェクトに心を奪われ、宇宙の世界に足を踏み入れることを決意した。彼女の言葉には、宇宙開発に対する真摯な思いと、大変な努力の積み重ねが映し出されている。
厳しいプレスの世界
宇宙の最前線を取材するには、さまざまな専門知識が求められる。工学やサイエンスのみならず、政治や国際関係、安全保障、歴史、法律、ビジネスなど、まるで総合格闘技のように多岐にわたる知識が必要だという。専門用語に頭を悩ませ、時には不承不承のプロの世界に直面することになる。取材旅行の中で赤字を抱えたり、門前払いを受けることも日常的だ。出版や報道関係者との名刺交換の際には、宇宙の記事だけで生計を立てることに対し、困難さを指摘されることも多いと井上さんは語る。
それでも井上さんがこの仕事を続けている理由は深い。彼女は、宇宙に対する情熱を失うことなく、その魅力を他者に伝えたいという強い思いを抱いている。その中で感じる宇宙開発の現場の息遣いや、関係者との絆が彼女にとっての大きな支えとなっている。
豆知識とほっこりエピソード
本書の中では、アメリカのケネディ宇宙センターや、地元九州の種子島宇宙センターでの取材エピソードが綴られる。取材先での苦労や印象に残ったエピソード、さらには先輩宇宙ライターとの交流など、知的好奇心をそそる豆知識が満載。宇宙開発の裏側を知ることで、読者にも宇宙に対する興味を抱かせる仕掛けが数多く用意されている。
「誰もが宇宙を仕事にできる時代。宇宙への関心を深め、自分らしいライフスタイルを考えるきっかけとしてこの本を手に取ってほしい」と井上さんは期待を寄せる。
彼女のプロとしての姿勢や、宇宙に対する情熱が詰まった一冊。宇宙に興味を持つ全ての人に捧げたい作品である。
著者プロフィール
井上榛香(いのうえ・はるか)さんは1994年生まれ、福岡県小郡市出身の宇宙ライター。小惑星探査機「はやぶさ」に触発され、宇宙の世界に興味を持つ。学生時代には留学先のウクライナ・キーウで国際法を学んだ実績を持つ。彼女は、一般社団法人九州みらい共創の理事としても活動している。著書には『探そう!宇宙生命体:地球以外にも生き物はいる!?』などがある。趣味は街歩きで、お気に入りの食べ物はホタテだ。
発売は2025年1月31日、定価1870円の『宇宙(そら)を編む』は全国の書店やオンラインで取り扱われる予定だ。ぜひ、宇宙を見る新しい視点を手に入れよう。