TOPPANが進めるバイオマス化化粧シートの取り組みと未来への展望
TOPPANは、持続可能な社会の実現を目指し、バイオマス原料を活用した内装用化粧シートを開発しました。この革新的な製品は、環境問題への配慮を示すものとして注目されています。
開発の背景
近年、気候変動の影響が深刻化し、環境問題に対する関心が高まっています。この状況を踏まえ、建材業界でも環境配慮が求められています。TOPPANは、中期経営計画の中でデジタルトランスフォーメーション(DX)とサステナビリティ(SX)を組み合わせ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。特に、一般的には石化由来原料が使用されている化粧シートについて、全体重量の90%を占めるフィルム層をバイオマス由来原料に切り替えることで、環境への負担を軽減することを目指しました。
従来のバイオマス由来原料は短期利用がメインであり、建装材分野での耐久性の問題がありました。さらに、食料供給と競合しない原料の使用が求められます。そうした課題を克服するため、TOPPANはこれまでの印刷技術と加工技術、耐候性能を調査し、バイオマス原料を用いた化粧シートの開発に成功しました。
製品の特長
高いバイオマス配合率
TOPPANの化粧シートは、最大65%のバイオマス配合を実現。この高いバイオマス率は、内装用途としての市場において大きな突破口となっています。また、バイオマスマークを取得し、製品の信頼性を高めています。
意匠性の維持
植物由来のバイオマス原料を高い比率で使用しても、求められる意匠性を維持できる点が大きな魅力です。印刷技術の見直しや、適性の高いフィルムの選定により、従来のオレフィンフィルムと同等の印刷表現が可能となりました。
広範な展開可能性
耐候性試験でも、従来のシートと同等の性能を確認しており、内装用途での幅広い展開が見込まれます。TOPPANの「Smart NANO®」技術により、強靭性や耐傷性を兼ね備えたシートが実現し、さまざまな環境に適応できます。
CO2削減への貢献
植物由来原料を積極的に使用することで、CO2排出量の削減にも寄与しています。化粧シート全体のCO2排出量は、従来のオレフィンシートと比較して、約19%減少しています。環境への配慮を念頭に置いた製品設計により、持続可能な社会の実現に向けて確かな一歩を踏み出しました。
未来への展望
TOPPANは今後もこの取り組みを進め、バイオマス由来の化粧シートの比率をさらに高めていく計画です。また、他の環境配慮型材料との融合を図り、革新的な製品開発を進めていくことを目指しています。2026年にはこの製品で10億円の売上を目指し、社会課題の解決に貢献していく意向です。
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これからのTOPPANにおけるバイオマス化粧シートの動向から目が離せません。