業界を超えた連携で新たなリサイクルの一歩
最近、アサヒ飲料株式会社、キリンホールディングス株式会社、そして他の7社の協力によって、飲料用ペットボトルと非食品用途PETを使用したケミカルリサイクルの取り組みが開始されました。この新しいプロジェクトは、飲料用PETボトルのリサイクル原料を非食品用途PETに拡大し、持続可能なプラスチック循環を実現することを目指しています。
リサイクルの背景と目的
これまでのプラスチックリサイクルは限界があり、十分な資源循環ができていないという課題が存在していました。この新しい取り組みでは、使用済みの飲料用PETボトルに加えて、工業用フィルムや化粧品ボトル、自動販売機のサンプルなど、非食品用途のPETをリサイクル原料として使用します。このことで、より多くのプラスチック資源を効率的に再利用し、環境負荷を軽減することを狙っています。
参加企業と役割
このプロジェクトには、アサヒ飲料、キリン、JEPLAN、TDK、村田製作所、花王、ファンケル、キリンビバレッジ、ペットリファインテクノロジーという9つの企業が参加しています。各社の役割は以下の通りです:
- - TDKと村田製作所:工業用PETフィルムの端材をリサイクル原料として供給。
- - 花王とファンケル:使用済みの化粧品ボトルを回収し、リサイクル原料として提供。
- - キリンビバレッジ:自動販売機の商品入れ替えで出たサンプルを供給。
既存のリサイクル手法においては、使用済みペットボトルのみが対象でしたが、これにより範囲が拡大し、もっと多様な素材がリサイクルに貢献しています。
今後の展望
プロジェクトに参加する企業は、ペットリファインテクノロジーによって実施されるケミカルリサイクルによって生まれた再生PET樹脂の品質評価を行い、盆土の飲料用ペットボトルや化粧品ボトルへの採用を検討します。具体的には、キリンビバレッジは2024年4月から、花王は5月からこの新しい材料を導入する予定で、アサヒ飲料においても年内に採用を目指しています。
持続可能な未来へ向けて
この取り組みは、JEPLANが持つ技術と、キリンのパッケージイノベーション研究所の安全性評価を経て実現しました。企業間の協力によって、プラスチックリサイクルの新たな可能性が開かれることとなります。今後も、各社は使用済みプラスチックの有効活用と、温室効果ガス(GHG)の排出量削減を一層推進することを目指して活動していくでしょう。
持続可能な社会に向けた新たな一歩を踏み出したこのプロジェクトの行方に、引き続き注目していきたいと思います。