高知大学医学部オープンイノベーション拠点 MEDiの開設
高知大学医学部は、高知市内中心部に「オープンイノベーション拠点 MEDi」を開設しました。この拠点は、地域の医療とヘルスケアの課題を解決し、さらには国際的な問題にも取り組むことを目的としています。ここでは、産学官の連携を通じて、地域と世界を結ぶイノベーションを創出していく考えです。
開設の背景
高知県は全国的にみても超高齢化が進んでおり、過疎化や災害のリスクも抱える地域です。このような中、医療技術の革新が求められるため、高知大学医学部は新たな医療課題への対応策を模索しています。2021年には「医療×VR学講座」や「ヘルスケアイノベーションコース」が設けられ、次世代の医療人材の育成にも力を入れています。これを背景に、「MEDi」が新たな拠点として設立されたのです。
そのオープンセレモニーには、高知県の副知事や市長、議会のメンバーが出席し、地域に対する期待が寄せられました。行政と企業が協力し、地域のニーズを見極めながら課題解決を目指す場としての役割が重要視されています。
MEDiの目的
「MEDi」では、地域が抱える課題に対して、入居企業や大学が連携し、効果的な解決策を模索します。例えば、災害医療やコロナウイルス対策、オンライン診療といったマクロな課題は、行政が中心となって取り組みます。一方、地域住民の具体的な声を集め、ミクロな課題を掘り下げて対応することで、より持続可能な解決策へとつなげていく狙いです。
入居企業は、高知大学医学部からの技術支援を受けていて、実際に事業化への道を模索する場ともなります。この連携によって、地域から発信された技術やアイデアが、国際的な課題へとつながっていくことが期待されています。
イノベーション創出に向けたエコシステム
「MEDi」は、ワークスペース、学びの場、コミュニティの3つの機能を支柱としています。ワークスペースでは、医療テクノロジーの企業が集まる予定で、オンライン診療や遠隔医療などの領域に特化した事業を展開します。高知大学や他の大学との連携により、起業家が自身の事業を成長させる過程をサポートします。
また、地域のクリエイティブ産業とも連携し、アートやデザインの視点も取り入れて、イノベーションを進める仕組みが構築される予定です。このように多様なバックグラウンドを持つ人々が集まることで、新たな挑戦が生まれやすくなるでしょう。
MEDiの名称の意味
この拠点の名前「MEDi」は、医療(medical)、異なる分野が集まること(medley)、考えを巡らせる(meditate)、メディア(media)としての機能を持つ場所へと発展していくことを意図しています。高知の中心に位置することから、地域の中核として広く認知されることを目指しています。
施設の詳細
「MEDi」は、高知市の中心部にあるチカミビルの3階に位置します。40坪のフロアが2つあり、スタートアップ企業に適した空間が整備されています。また、今後はVR体験や各種イベントも計画されています。
施設概要
- - 名称:オープンイノベーション拠点 MEDi
- - 所在地:高知県高知市追手筋1丁目6 チカミビル3階
- - アクセス:高知駅南口より徒歩9分、蓮池町通駅より徒歩3分
- - 主要入居企業:Psychic VR Lab、BiPSEE、アルファドライブ高知など
まとめ
「MEDi」が本格的に稼働し始めることで、高知地域における医療技術の進展や新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。地域と世界をつなぐ架け橋として、この拠点の動向から目が離せません。