不安と向き合う青年の物語「檸檬」が児童書に!
株式会社新興出版社啓林館は、児童書の「文研出版」ブランドで『檸檬』(エコトバ第2期)を発売しました。本書は、1925年(大正14年)に「青空」に発表された梶井基次郎の短編小説「檸檬」を、新進気鋭のイラストレーター三永ワヲ氏が美しく鮮やかにビジュアル化したものです。
「檸檬」は、得体の知れない不安の塊を抱えた「私」が、お気に入りの果物屋でレモンを見つけ、それを購入するところから物語が始まります。その後、「私」は丸善を訪れ、そこでは気を紛らわせるものの、不安は再び押し寄せます。そして、最後にはレモンを爆弾に見立てることで不安を消し飛ばそうとします。
この作品は、不安や憂鬱、そして人間の心の奥底にある複雑な感情を、繊細で詩的な言葉と、レモンという象徴的なモチーフを用いて表現しています。現代においても、多くの人が共感できる普遍的なテーマを描いていると言えるでしょう。
新進気鋭のイラストレーター三永ワヲ氏が「檸檬」の世界観を鮮やかに表現!
三永ワヲ氏は、画家、漫画家、イラストレーターとして活躍するアーティストです。油絵を大学で専攻し、美術教師として教鞭を執っていましたが、2016年に『人生が思うようにいかない26歳の話』で漫画家デビューを果たしました。代表作には『それは、君が見た青だった』などがあります。
三永ワヲ氏は、本書のイラストレーションで「檸檬」の世界観を独自の解釈で表現しました。色彩豊かな絵は、小説の持つ幻想的な雰囲気や、登場人物たちの心の揺れ動きを見事に表現しています。
「エコトバ」シリーズとは?
「エコトバ」シリーズは、新進気鋭のイラストレーターたちが選んだ文豪の作品を、その感性によりビジュアル化した文学作品です。従来の教科書とは異なる、新しい文学体験を提供することを目指しています。
「檸檬」は「エコトバ」シリーズの第2期作品です。今後も、様々な文豪の作品を、個性豊かなイラストレーターたちがビジュアル化していく予定です。
梶井基次郎について
梶井基次郎は、1901年(明治34年)に大阪府大阪市で生まれました。東京帝国大学に入学し、同人誌『青空』を創刊しました。同誌に「檸檬」「城のある町にて」などを発表しました。しかし、持病の肺結核が悪化し、大学を中退しました。晩年には作品集『檸檬』が刊行され、高い評価を受けましたが、刊行後わずか1年で31歳の若さで亡くなりました。
『檸檬』商品情報
- - シリーズ: エコトバ第2期
- - 対象: 中学校以上
- - 判型: A5変形判
- - 本体価格: 1980円 (本体1800円+税10%)
- - ISBN: 978-4-580-82634-2
- - HP: https://www.shinko-keirin.co.jp/bunken/
ぜひ、本書を通して梶井基次郎の文学の世界に触れてみてください。