エス・シー・アイが有限会社技研を子会社化
福岡市のIT企業、株式会社エス・シー・アイ(以下、エスシーアイ)が、2025年9月25日付で大分市の有限会社技研(以下、技研)の全株式を取得し、技研を子会社化することを発表しました。この重要な株式取得は、両社のシナジー効果を期待してのものです。
エス・シー・アイの成長背景
エスシーアイは1990年に設立され、大手製造業向けの制御組込ソフトウェア開発を中心に、特許技術を用いたシステム導入や保守サービスを提供してきました。2015年にはソフトサービスグループに参画し、この10年で売上高は約6倍、営業利益は約17倍とも言われる成長を遂げています。この成功の背後には、グループ内での豊富なノウハウの共有が大きく寄与しています。
現在、エスシーアイはソフトサービスグループ内での急成長企業に位置づけられており、メインの経営理念である「情報技術で社会に貢献」に基づいた事業展開を行っています。
また、グループ長期ビジョン「TRI20(トライトゥエンティ)」では、2035年までにグループ全体の売上を200億円、グループ会社を20社、20名の経営者を育成する目標が掲げられており、これを実現するための人材育成や経営者育成にも力を入れています。
技研の強みと課題
一方で、技研は2002年に大分市で設立され、主に金融業界向けにオープン系システム開発を行っており、特に九州地方の金融関連企業と強固な信頼関係を築いています。しかし、濵﨑正和社長が直面している後継者育成やITエンジニアの採用・教育といった課題も存在していました。
このような背景から、技研はエスシーアイとの資本提携を通じて、技術力を活かした事業の発展とともに、エンジニア人材に関する課題の解消を目指すことになりました。
今後の展望
エスシーアイが技研を傘下にすることで、技研の持つ金融関連分野の技術力を基盤にした事業戦略の強化が期待されます。また、技研の福岡営業所はエスシーアイの本社へ集約される予定で、これにより効率的な運営と、グループ各社との連携強化が図られる見込みです。
特に、エスシーアイの豊富な採用・教育プログラムに技研が参加することで、さらなる技術者育成や業務の拡大が見込まれています。経営陣に関しても、エスシーアイからしっかりとした指導を受けることができる体制が整うため、両社の強みを活かした経営が実現されるでしょう。
まとめ
株式会社エス・シー・アイが有限会社技研を子会社化することにより、両社の生産性向上と継続的な成長が期待されています。情報技術の進化が急速な中、この提携を通じて盤石な経営基盤を構築し、さらなる市場拡大を目指す動きが注目されています。エスシーアイと技研の今後の展開に、益々期待が寄せられることでしょう。