最低賃金1,500円引き上げに関する意識調査の結果
株式会社マイナビが実施した意識調査によると、アルバイト就業者の83.1%が全国平均の最低賃金を1,500円に引き上げることを望んでいることが分かりました。この結果は、経済状況の厳しさや物価の上昇を背景に、アルバイトの働き手が給与の引き上げに対する期待が高まっていることを示しています。具体的には、「生活が苦しい」「物価が上がっている」といった理由が多数寄せられました。
しかし、一方で同調査では約50%のアルバイトが、実際にはこの引き上げが実現しないと感じていることも明らかになりました。これは、賃金引き上げに対する期待と疑念が入り混じっている状況を浮き彫りにしています。特に、2025年から2029年に実現するとの見方が20.7%にとどまった一方、約47.6%が実現しないと考えています。
企業側の懸念
調査に参加した企業の56.3%が、自社の賃上げが最低賃金の1,500円引き上げに合せて実施できないという結果が出ました。この理由としては、現状の経営状況と乖離があり、業績が賃上げを支えるまでに至っていないとの声が多く聞かれます。また、最低賃金の引き上げによって企業が最も懸念しているのは、人件費の増加による経営への圧迫です。
企業による対応策としては、人件費を抑えるために「価格転嫁」や「設備投資の削減」が検討されています。これにより、雇用体制を維持しつつも、企業の利益を確保する姿勢が伺えます。
生活と仕事への影響
最低賃金が1,500円に引き上げられた場合、アルバイト就業者の70%以上が「私生活の豊かさ」と「仕事への意欲」が向上すると回答しています。これは、個々の生活が豊かになると同時に、労働意欲も高まる可能性があることを示唆しています。調査担当者は、収入が増えることによって仕事や生活の質が相乗的に高まるという期待を表明しています。
結論
今回の調査結果からは、最低賃金の全国平均1,500円の引き上げを望む声が多い一方で、実現には慎重な見方が強いことが浮き彫りになりました。特に、企業側の人件費の増加や、それに伴う経営への影響が懸念されており、実現に向けた具体的な議論が求められています。今後、企業の実態に即した雇用政策や賃金政策が必要とされるでしょう。
調査の実施内容や詳細な結果については、マイナビのキャリアリサーチラボのサイトにてご覧いただけます。