ロジスティクス業界における健康意識向上
近年、物流業界では運転手の健康管理が重要な課題として認識されています。この背景には、業務の過酷さや高齢化が影響しています。その中で、株式会社NBSロジソルは昨年、全ドライバー約500名を対象に高血圧治療支援サービス「高血圧イーメディカル」を導入しました。これにより、多くのドライバーが健康状態を改善し、仕事に集中できる環境を整えています。このサービスの成功を受け、今後はドライバー以外にも対象を拡張し、約100名の倉庫作業員に同様のサービスを提供することが決まりました。導入開始は2025年12月からです。
導入の目的と効果
NBSロジソルがこのサービスを導入した背景には、「2024年問題」に対する不安や、運転中の健康問題による事故の防止があります。高血圧は「サイレントキラー」と称される病気で、気づかないうちに健康を損なう恐れがあります。このオンライン診療サービスを利用することで、忙しい日常の中でも簡単に健康管理ができ、適切な治療を受けることが可能になります。
実際に導入された事例では、運転手のAさんが運行スケジュールと診療日が合わず苦しんでいたケースや、Bさんが「隠れ高血圧」を発見した事例があり、いずれもサービスの効果が如実に表れました。
拡大の背景
このサービスの拡大は、倉庫作業員を対象とすることで、業務の過酷さから来る健康リスクを軽減することを目指しています。倉庫での作業は、空調が整いにくい環境で行われるため、身体にかかる負担も大きく、高血圧に繋がる要因が多々存在します。全員が会社支給のスマートフォンを保持することで、簡単にアプリを利用できる環境を整え、健康状態の把握・改善を進めることが可能です。
導入に際して行われたアンケートでは、56%の社員が健康に対する意識が高まったと回答し、78%以上が血圧を毎日測る習慣を身につけたとのことです。こうした結果は、企業が適切なツールを提供することで、社員の健康意識向上に寄与することを示しています。
3社連携による「PROTECT HEARTS PROJECT」
この取り組みはNBSロジソルの他に、イーメディカルジャパン、オムロンヘルスケアの3社による連携の一環です。心脳血管疾患のリスクを削減し、健康経営のモデルとなることを目指しています。企業同士の連携を通して、物流業界全体の安全性向上へと繋がる取り組みとなっています。
まとめ
NBSロジソルの健康管理サービスの拡充は、ただの福利厚生にとどまらず、企業全体の健康経営のモデル作りへと繋がる重要な一歩です。今後も社員が安心して働ける環境を整えることで、地域社会にも貢献していきたいと考えています。運転手だけでなく、全ての社員の健康を守る取り組みが、物流業界の安全運行に寄与することを期待しています。