事務作業削減で職員の負担を軽減！学童保育にICTシステム導入

働き方と教育現場の新たな挑戦

近年、共働き世帯の増加に伴い、放課後児童クラブの需要が急増しています。一方で、これに伴う課題も浮き彫りになっており、特に施設の運営や職員の確保が深刻な問題とされています。そんな中、VISH株式会社が提供するICTシステム「Hokally」が、岡山県瀬戸内市の邑久小学校区学童保育所「ゆめっこクラブ」に導入されました。この事例は、業務効率化に成功した一例として注目されています。

放課後児童クラブが抱える課題

放課後児童クラブは、教育現場にとって非常に重要な役割を果たしていますが、共働き家庭の増加とともに需要が高まり、現場はその対策に追われています。こども家庭庁の調査によると、2024年の時点で待機児童数が17,686人に上り、前年よりも1,410人の増加を記録しています。このような背景の中で、各クラブは職員の確保や施設の運営に関する問題に直面しています。多くの市区町村では「若年層の確保が困難」「必要な資格を持つ人材が集まらない」といった声が寄せられています。また、職員たちは保育の質を維持しながら、日常の事務作業や保護者との連絡にも多くの時間を費やさなければなりません。

導入前の事務作業の実態

「ゆめっこクラブ」では、約120名の児童が通う大規模な施設ですが、導入前はアナログな管理方式に依存していました。特に集金や請求業務に関しては、以下のような課題がありました。

1. アナログな金銭管理: 現金で徴収した延長保育料の管理は非常に煩雑で、毎月200〜300枚もの小銭を数える必要がありました。さらに、銀行への入金手間や紛失リスクも大きな問題でした。
2. 非効率な請求業務: 請求業務は手作業による計算が必要で、完成までに2日間かかるという状況でした。人の目で入退室時間を確認しなければならず、これも負担に拍車をかけていました。
3. 紙ベースの情報管理: 日誌やお知らせもすべて紙で管理されており、情報確認に多くの時間を要しました。また、監査準備には本来の業務を抜ける必要があり、多くの残業に繋がっていました。

ICT導入後の劇的な変化

Hokallyを導入した結果、事務作業の負担が5割も削減されました。特に以下の3つの点が大きな改善をもたらしました。

1. 請求業務の効率化: 保護者の入退室打刻データを基に、自動で延長料金が計算され、これまでの現金の取り扱いが不要になりました。その結果、請求業務は丸2日かかっていたものが半日に短縮されました。
2. デジタル化による負担軽減: 手書きの日誌や紙の配布物がデジタル化されたことで、事務作業全体での負担が約5割軽減され、職員の残業も減少しました。これにより、定時帰宅が可能となり、ワークライフバランスの向上にも寄与しています。
3. アプリの活用: 入退室時に自動で保護者に通知が届くため、安心感が増しました。さらに、アプリを使った一斉連絡が可能になり、以前のような情報伝達のトラブルも解消されました。

施設リーダーの感想

邑久小学校区学童保育所のリーダー、野田様は「Hokallyを導入することで、約5割の事務作業が削減され、保育にもっと時間を使えるようになりました。以前は多くの時間を事務作業に費やしていましたが、今では子どもに目が届く環境が整い、保育時間中に他の仕事に割かれることがなくなりました」と語ります。また、残業が減り定時で帰れることも、職員のモチベーション向上に繋がっています。