金融安定理事会がクロスボーダー送金サービスの規制・監督に関する勧告案を公表
金融安定理事会(FSB)は、7月16日に「クロスボーダー送金サービスを提供する銀行・ノンバンクの規制・監督に係る勧告」と題する市中協議文書を公表しました。
この勧告は、2023年2月に公表された「クロスボーダー送金の改善に向けたG20ロードマップ」に掲げられた優先アクションの一つとして、同じ活動・同じリスクには同じ規制を適用するとの原則に基づき、クロスボーダー送金サービスを提供する銀行・ノンバンク(資金決済サービス事業者)の規制・監督について、銀行・ノンバンクの活動に係るリスクに比例した形で整合性を改善するための勧告案を提示しています。
具体的には、クロスボーダー送金サービスを提供する銀行・ノンバンクに対して、以下の事項を勧告しています。
顧客のデューデリジェンス(CDD)の強化
送金経路の透明性の向上
サイバーセキュリティ対策の強化
金融犯罪対策の強化
顧客資金の保護
緊急時の対応
FSBは、この勧告案について広く意見を求め、来年9月9日までにコメントを提出するよう呼びかけています。
今回の勧告は、クロスボーダー送金の安全性と効率性を向上させることを目的としています。FSBは、この勧告案が、クロスボーダー送金サービスの利用者にとってより安全で効率的な環境を構築することに役立つと考えています。
クロスボーダー送金の現状
クロスボーダー送金は、国際貿易や投資、海外送金など、世界経済にとって不可欠なものです。しかし、従来のクロスボーダー送金システムは、手数料が高額であったり、処理時間が長かったり、透明性が低かったりと、多くの課題を抱えていました。
近年、テクノロジーの進化によって、新たなクロスボーダー送金サービスが登場し、従来のシステムよりも安価で迅速な送金が可能になっています。しかし、これらの新しいサービスは、規制の対象外となっている場合もあり、不正利用のリスクも高まっているのが現状です。
勧告の目的
今回の勧告は、このような課題を解決し、クロスボーダー送金をより安全で効率的なものにすることを目的としています。具体的には、以下の目標を達成することを目指しています。
顧客の保護
金融システムの安定
* 金融犯罪対策
今後の展望
FSBは、この勧告案が、世界中の規制当局によって採用され、クロスボーダー送金の規制・監督の国際的な調和が促進されることを期待しています。
また、FSBは、今後もクロスボーダー送金の改善に向けた取り組みを継続していくとしています。