陶芸作家 山田浩之の新展覧会「混思考」
陶芸作家の山田浩之氏が、陶器の新たな世界を届ける展覧会「混思考」を風の沢ミュージアムで開催します。4月30日のオープニングを皮切りに、栗原市の美しい自然と文化の交錯をテーマにした作品を展示します。
山田浩之と栗原との関係
山田氏は、2008年に宮城内陸地震を受けて栗原を初めて訪れました。この地の復興を象徴する祭り、「くりはら万葉祭-土と火のまつり-」に参加し、自然の力に翻弄されながらも人同士、文化同士が融合する様子に深い感銘を受けました。その中で感じた「混沌」は、彼の作品創りにおける重要なテーマとなっています。
展示の主な内容
この展示では、市内の20か所から採取した土を使用し、それぞれの土地に息づく歴史や伝承を基に制作した「栗原陶器化計画」がメインプロジェクトです。このプロジェクトでは、地域の物語と土とのつながりをオブジェとして視覚化し、訪れた人々にその魅力を体感してもらうことを目的としています。さらに、市内の土を一つにまとめた作品「栗原丸ごと焼き」や、栗駒山の溶岩を利用した釉薬を使った作品も展示されます。
さらに、来場者が実際に触れたり、中に入ったりできるインタラクティブな作品も用意されていますので、ぜひその感触を楽しんでください。
小作品の販売も
展示会と連動して、栗原市栗駒地区岩ケ崎の六日町通り商店街でも山田氏の小作品(茶碗や酒器など)が販売されています。この商店街は、古くから馬の産地として有名で、藩政時代から続く市場町としても知られています。最近では、レトロで個性的な店舗が増加し、訪れる人々を楽しませています。
共同制作イベントも企画中
加えて、2022年の5月3日から4日には、風の沢アートインレジデンス棟で、一般参加者と共同で床地図を制作し、その上に栗原の土で手作りの焼き物を展示する「共同制作イベント」も実施されます。制作した作品は、栗駒山麓ジオパークの企画展示室で公開され、入場料は無料です。アートとしての土の魅力だけでなく、地質に関する新たな視点も楽しめる貴重な機会です。
風の沢ミュージアムについて
風の沢ミュージアムは、築200年の古民家を修復した現代アートミュージアムを中心に、馬屋、カフェ、アートインレジデンスなどから成る文化芸術複合施設です。ここでは、企画展に関連した各種イベントやワークショップも行われています。
ぜひ、山田浩之氏が創り出す新たな陶芸の世界を体験し、栗原の土地に根付く文化を感じる素晴らしい機会をお見逃しなく!