AI技術で農業の可能性を広げるHappy Qualityの研究成果と展望

農業とAIの融合が生み出す新たな可能性

近年、農業の現場では高齢化や人手不足が深刻な問題となっています。こうした状況を打開するため、株式会社Happy Qualityが静岡大学と共同で、AI技術を用いた農業の革新に挑む研究を行っています。

AI技術による高糖度トマトの育成

Happy Qualityは、AIを活用して農家の技術向上と安定した収穫を実現することを目指しています。特に注目されるのが、トマト栽培における灌水制御の技術です。具体的には、植物に適度な水分ストレスをかけることで、糖度の高い果実を育成する方法が開発されました。

この研究は2017年度から始まりました。初期段階では、植物の水分管理が果実の成長に与える影響を調べ、植物の状態を高精度に把握するためのAIを開発しました。その結果、茎の太さの変化から水分状態を予測できるシステムが完成。

課題を乗り越えた実証実験

続く2018年度には、AIの指示に基づいて行った灌水制御の実験が実施され、結果として高糖度の中玉トマトを安定的に収穫できることが実証されました。最近の実験では、さらに進化した灌水制御の方法により、平均糖度9.46を持つトマトの生産に成功し、果実の裂果問題も大幅に削減。驚異的な可販果率95%を実現しました。

農業の新標準を目指して

Happy Qualityのビジョンは「農業の新しいStandardを作る」というものです。農業が抱える多くの社会的な課題に対し、テクノロジーを駆使してデータドリブン農業を推進していくというアプローチが取られています。特に、新規就農者が直面する「所得が少ない」や「技術が未熟」といった問題に対して、専門家が心を込めて取り組んでいます。

同社は今後もビッグデータやAI、光学センサーを活用し、高品質で高単価の農作物生産を進めていく予定です。その中でも、HapitomaやDOCTOR MELONといった新しい商品を展開し、安全かつ美味しい農産物の生産に注力しています。