2024年10月8日から13日まで、東京の銀座にある月光荘では、カリグラフィーアーティスト山田淳子の個展「Layers of Feelings II ~かさなる思い~」が開催されます。この展示会は、個・文化・社会をテーマとしたさまざまなカリグラフィー作品が一堂に会する貴重な機会です。山田淳子は、カリグラフィーという技法を用いて、文字や模様の重なりを通じて、見る者の心に響く作品を創り出しています。
本展では、以下の三つのテーマに基づいて作品が展示されます:
1.
個人 - 内省する文字と言葉、心の葛藤、人間関係をテーマとし、日常生活の中でのもやもやした思いを文字で表現した作品を紹介します。中でも「かさなる思いI」は、人間関係における葛藤を言葉の重なりで見事に描き出しています。
2.
文化 - アイヌの模様を取り入れた「かさなる思いII」を通じ、文化との関わりを表現しています。山田の出身地である北海道の文化を深く理解し、自らの解釈を交えた作品は、伝統を尊重しつつも新たな視点を加えることに成功しています。
3.
社会 - ウクライナなどの時事を題材にした作品群は、見えない社会の影響を表現しています。「Pray for Peace」や「Hop Step Jump」という作品は、現在の社会情勢を理解し、それを作品として具現化する山田の姿勢を示しています。
山田のカリグラフィーには、写本装飾と呼ばれる技術から得た美しさが息づいています。デジタルが主流の今でも、手仕事の持つ特別な感覚を大切にしている彼女の作品は、見る人に深い感動を与えます。さらに、今回の展示では、来場者参加型のライブペインティングイベントも企画されており、来場者がキットパスを用いて自身の思いを込めた文字や絵を大きな画面に重ねて描く機会もあるため、誰でも自由に参加できます。
この個展は、アートとしてのカリグラフィーの新たな可能性を探る場となり、さまざまな人々が集まることで個々の思いや感情が形となる瞬間を楽しむことができます。普段は目にすることのない、カリグラフィーの技法を駆使した作品を通じて、自らの内面や社会との繋がりを再考するきっかけになることでしょう。
興味のある方はぜひ、銀座の月光荘へ足を運んでみてはいかがでしょうか。入場は無料で、期間中は毎日11時から18時まで開かれています。最終日は14時までの開催となります。