2024年9月の日本経済、3カ月連続で景気改善を記録
株式会社帝国データバンクが発表した、2024年9月の国内景気動向調査によれば、景気DI(景気判断指数)は前月比0.3ポイント増の44.6となり、これで3カ月連続の改善を見せました。昨今の経済状況は国内のインフラ整備や防災・災害復旧工事の拡大、さらには外出機会の増加が影響を与えているようです。
景気改善の背景
今月の調査結果によると、特に「建設」や「サービス」などの分野で顕著な改善が見え、10業界中7業界が上向きの傾向を示しています。これは、インフラや防災関連の工事需要の高まりや、2度にわたる3連休が人々のレジャー関連消費を促進したためと考えられます。
一方で、「小売業」等、個人消費関連の分野では依然として厳しい状況が続いています。猛暑により秋冬需要が低調に推移しており、食料品や日用品の消費も影響を受けています。消費者の中に広がる節約志向も小売業の低迷要因とされています。
業界別動向
業界別に見ると、「サービス」業種が特に好調で、前月比0.6ポイント増の50.4に達しました。「娯楽サービス」としての学校やテーマパーク、さらには旅館やホテルも、お盆やシルバーウィークの来訪客数増に支えられ、需要が回復しています。
「不動産」業界も45.5と高めの景気DIを記録しており、賃料の上昇が業界を押し上げる要因となっています。これに対し「小売」業界は、前月比0.2ポイント減の40.3であり、新車の供給不足や値上げによる消費の落ち込みが懸念されています。
地域別動向
地域別には、10地域中9地域が改善し、唯一「九州」地域が悪化しました。特に「東北」地域では、シルバーウィークの影響で宿泊需要が増加。全体として公共工事やレジャーの需要が良好な結果を生み出しています。
入れておくべきポイントは、夏の猛暑によって影響を受けた地域があることで、これは秋冬に向けた需要の低迷を引き起こしています。
今後の見通し
今後の景気については、実質賃金の上昇や、企業の設備投資が持続的に行われることで、底堅く推移する見通しがあります。観光産業の復活やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進がさらなる好材料として期待されます。
ただし、2024年問題に伴う物流コストの上昇や国際的緊張の高まりが影響を及ぼす可能性もあるため、再度注視する必要があります。今後データを基に、景気の動向がどのように変化するかを注目していくことが重要です。