KenRiが7000万円の資金調達を実施、司法サービスの未来を拓く

KenRiが7000万円の資金調達を実施

株式会社KenRi（本社：東京都中央区、代表取締役：西田燎平、以下「KenRi」という）は、先日7000万円の資金調達を実施しました。この資金調達は、East Ventures、ON＆BOARD、弁護士ドットコム株式会社などの企業からの出資を受け、J-KISS型の新株予約権を発行する形で行われました。

日本の司法制度の現状

現在、日本の司法制度は「2割司法」と言われる状況にあります。これは、法律に関する問題を抱えている人々のうち、実際に司法サービスにアクセスできているのがわずか2割であることを示しています。残りの8割の人々は泣き寝入りを余儀なくされているのが現実です。これには、裁判の審理期間が長かったり、法教育が不十分だったり、法曹人口が少なかったりといった多くの要因が関係しています。特に、法曹界の人材不足は深刻であり、令和4年度の司法試験の合格者数は1403人で041年の法科大学院制度導入以降、最も少なかったことが報告されています。

KenRiのアプローチ

KenRiは、これらの課題に対処すべく、最新のテクノロジーを活用したリーガルテックサービスを展開しています。具体的には、法務専門のリーガルテックサービスを提供し、ADR（裁判外紛争解決手続）事業の展開を計画しています。このような取り組みにより、法曹界の業務効率を向上させ、個人や企業が容易に司法サービスにアクセスできる環境を整えることを目指しています。

投資家からの期待

KenRiのシードラウンドに参加した投資家たちは、新たな法曹界の未来に期待を寄せています。ON＆BOARDの下平将人氏と中山航介氏は、KenRiが法務人材不足と泣き寝入りの問題をデジタルトランスフォーメーション（DX）やAIを活用して解決することで、大きな市場機会を生み出すと評価しています。また、弁護士ドットコムの澤田将興氏も、日本におけるADRの普及が「2割司法」の解消に寄与できると確信を示しています。

創業者の思い

創業者である西田燎平氏は、弁護士として多くのスタートアップを支援してきた経験があります。その中で、数十万円から数百万円の債権の回収に対し、非常に多くのスタートアップが泣き寝入りする現状を直視し、KenRiの設立に至りました。西田氏は、正当な権利を守るための仕組みを構築し、投資家と共により良い司法社会の実現に向け努力する意向を示しています。