三郎丸蒸留所が新たに挑むウイスキーの未来
富山県の三郎丸蒸留所が、新たなブレンデッドウイスキーブランド「SAB.」を2024年12月12日に発売します。この新ブランドは、ウイスキーファンからの期待が高まる中、国際的な市場で競争力を持つことを目指しています。
新ブランド「SAB.」の誕生
三郎丸蒸留所は、2019年にシングルモルトウイスキーの「三郎丸0THE FOOL」をリリースして以来、日本国内やアジアのウイスキーファンに支持されています。このたび登場する「SAB.」は、ブレンデッドウイスキーとして、世界中のウイスキー愛好者に向けた新たな挑戦です。
「SAB.」の第一弾商品には、「SAB. SUNSET RED」と「SAB. NIGHT BLACK」の2種類があり、どちらもアルコール分46%で販売されます。来年2025年夏には数量限定の「SAB. OCEAN BLUE」も予定されています。製品名やパッケージデザインは国際的な感覚を取り入れ、日本の「スモーキーさ」を生かしたウイスキーとして市場に浸透を図ります。
環境への取り組み
新製品「SAB.」は、持続可能な開発を目指し「エコグリーン瓶」を使用しています。この瓶は再生カレットを90%以上使用しており、一般的な瓶に比べ軽量化され、二酸化炭素の削減も実現しています。三郎丸蒸留所は、未来を見据えて環境に優しい製品作りを進めている点が大きな特徴です。
樽再生事業「Re:COOPERAGE」の開始
加えて、三郎丸蒸留所は「Re:COOPERAGE」という新たな樽再生事業に着手しました。日本国内の蒸留所数が増加する中で、樽の価格上昇や不足が問題視されており、この事業はその解決策を提供します。日本初の樽修理専門業態として、樽の「修理・再生・再活性化」を行い、業界全体の底上げに貢献することを目指しています。
この取り組みに関連して、自動樽削り機「バレルロール」が特許を取得し、今後の樽の仕上げ作業を効率化することが期待されています。
持続可能なウイスキー造り
三郎丸蒸留所は、ジャパニーズウイスキーの持続的な発展を目指し、業界全体の協力体制を強化しています。具体的には、他の蒸留所との技術協力、生産設備の改善、環境配慮を考慮した製品作りなど、多岐にわたる取り組みを推進しています。
特に、ZEMON(鋳造製ポットスチル)の導入やエコグリーン瓶の使用に示されるように、品質向上と環境への配慮を両立させたウイスキー造りを進めていることが評価されています。
また、2024年9月には初著書「ジャパニーズウイスキー入門」を出版予定の稲垣貴彦社長は、クラフト蒸留所を超えた技術協力と産業発展のための活動も行っています。
結論
新しいブレンデッドウイスキー「SAB.」の発表により、三郎丸蒸留所は日本のウイスキー業界における新たな顔となることを目指しており、環境に配慮したウイスキーの製造を通じて持続可能な未来を見据えています。今後の動向に注目が集まる中、スモーキーな新たな味わいを楽しむ日が待ち遠しいです。