退職を考えつつも踏みとどまる理由とは?
今回のレポートでは、現職社員が「会社を辞めない理由」を深く分析し、年収別の傾向も考察しています。「終身雇用制度」が崩壊し、転職が一般的となった今、退職を決意することが増えていますが、逆に辞めずに現職に留まる理由は何なのかを探ります。
調査結果の要点
まず、調査対象となったのはOpenWorkに所属する632名のユーザーへのアンケート結果です。その結果、現職社員が会社を辞めない最も大きな理由として「給与・待遇面」が浮かび上がりました。さらに、年収によっても理由の傾向に変化が見られることがわかりました。
- - 年収800〜1199万円グループでは41%が「給与・待遇面」を最も重要視。
- - 年収400〜799万円グループでは「ワークライフバランス」がわずかに上回る結果に。
このように、年収によって退職を考えない理由に違いがあることが明らかになりました。
給与・待遇が辞めない理由の中心に
現職の方々の中には、積極的に転職を考えない事情があるようです。一部の社員は、すでに良好な待遇を得ており、他企業への転職の必要性を感じていないと述べています。
「役職が付いていないけれど、同年代の上位10%程度の収入があるので、特に転職する理由は見当たりません。」(30代男性、年収970万円)
また、ワークライフバランスの良さも大きな要因です。家族や子育てとの両立が求められる中、優れた働き方ができる環境にいる現職社員にとっては、今の職場は転職する理由が薄れてしまいます。
「時間休や有休が取りやすく、フルタイムで働き続けるには今の環境が必要です。」(40代女性、年収500万円)
退職を考える理由に寄り添う
その一方で、現職社員は「給与・待遇面」の不満を抱える一方、退職済社員からは組織や人間関係に対する不信感が多く見られました。退職済社員は、企業の経営に対してネガティブな感情を抱いていることが多く、離職の傾向が顕著です。
- - 現職社員の声には、給料の低さや不当な待遇への不満が綴られています。
- - 退職済社員は、人間関係の悪化や会社の方針に不安を感じての離職が多いことがわかります。
働きがいの向上へ—辞めない理由を増やす努力を
「給与・待遇面」が離職を考える理由および辞めない理由の両方で重要であるという結果は、企業が社員の与える待遇を見直す必要があることを示しています。また、現職社員が抱える不安を理解することで、企業はよりよい雇用環境を提供する機会を持つことができます。
社員の意見に耳を傾け、「任意の辞めない理由」を増やす努力をすることが、企業としての定着率向上に繋がるでしょう。企業がリーダーシップを発揮し、社員の期待に応えることで、働きがいを感じられる環境を作り出すことが期待されます。
本レポートはOpenWorkからの調査結果を基に、現在の働き方の実態を鮮明にしたものです。さらなる詳細については、OpenWork公式サイトをご覧ください。