NVIDIA、最新のRTX AI PC向け基盤モデルを発表
2025年1月6日、ラスベガスで行われたCES(Consumer Electronics Show)で、NVIDIAは新たにRTX AI PC向けのAI基盤モデルを発表しました。この発表により、デジタルヒューマン、コンテンツ制作の分野でさらなる革新が見込まれます。
新たなGeForce RTX 50シリーズGPUを搭載したこのPCは、最大3,352兆演算/秒という圧倒的なAIパフォーマンスを実現します。さらに、32GBのVRAMを備えており、AI推論パフォーマンスは前世代のハードウェアと比較して2倍に向上しています。この画期的なGPUはNVIDIA Blackwellアーキテクチャを基にしており、FP4演算のサポートを追加して、より効率的に生成AIモデルをローカルで実行可能です。
AI開発の新時代
長年にわたり、GeForceはAI開発者にとっての必須プラットフォームでした。例えば、最初のGPUアクセラレーテッドデープラーニングネットワークであるAlexNetは、2012年にGeForce GTX 580でトレーニングされました。そして昨年では、AIに関する公開論文の30%以上でGeForce RTXが引用された実績があります。
新しいRTX AI PCの登場により、開発者でない人々も簡単にAIを使ったアプリケーションを開発することができるようになりました。AnythingLLM、ComfyUI、Langflow、LM Studioといったローレベル/ノーコードツールが登場し、ユーザーは直感的な操作で複雑なAIモデルを活用できます。
これらのツールはNIMマイクロサービスと連携しており、最新の生成AIモデルへのアクセスが一段と容易になります。さらに、NVIDIA AI Blueprintという機能によって、デジタルヒューマンやコンテンツ制作において使いやすいリファレンスワークフローを提供します。
主要PCメーカーとの連携
この需要に応じて、すべての主要PCメーカーとシステムビルダーがGeForce RTX 50シリーズGPUを搭載したNIM対応のRTX AI PCを発売します。NVIDIAの創業者であるジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は、「AIは急速に進化しており、NIMマイクロサービスとAI Blueprintは、開発者や愛好家がAIの可能性を探求するための重要なツールです」と語っています。
基盤モデルを活用した新たな可能性
基盤モデルは、生成AIの中心的な要素であり、NVIDIAはBlack Forest Labs、Meta、Mistral、Stability.AIなどから得られたモデルを活用したNIMマイクロサービスのパイプラインを構築しています。用途は多岐にわたり、大規模な言語モデル(LLM)やビジョン言語モデル、画像生成、音声処理に加え、コンピュータービジョン技術にも適用されます。
さらに、NVIDIAは新たなオープンモデルであるLlama Nemotronファミリーを発表しました。このモデルは多様なエージェント型タスクにおいて高精度を提供し、RTX AI PCやワークステーション向けの今後の展開に期待が寄せられています。
AI Toolkitでの統合
NIMマイクロサービスはAI Toolkit for VSCodeをはじめとした主要なAI開発フレームワークとの互換性が確保されており、これにより開発者はスムーズにAIモデルを実行できます。これによりPCやクラウド環境の統一されたインターフェースで最新のAI技術を活用することが可能になります。
また、NVIDIA ChatRTX技術のデモが近日中に公開され、様々なNIMマイクロサービスを体験する機会が提供されます。
Project R2Xと新たなインターフェース
NVIDIAはまた、Project R2Xという視覚機能を備えたアバターのデモを行い、ユーザーや開発者がエージェントやアシスタントを構築する手法を示しました。このアバターは瞬時に情報を提供し、デスクトップアプリやビデオ会議などを支援する機能を持っています。
このように、NVIDIAのRTX AI PCはAI技術の新たな地平を切り開くことになるでしょう。デジタルヒューマンやコンテンツ制作の高度な処理が求められる現代において、NVIDIAの最新技術がどのように役立つのか、今後の展開に目が離せません。今後も新たな情報が続々と発表されることが期待され、最新のAI技術を取り入れた製品が市場に登場するのが楽しみです。