日本香堂450年記念香会で香文化を探求
2025年4月8日、日本香堂ホールディングスが主催した「450プロジェクト“聞く〜awake your spirit〜”」の一環として、「日本香堂450年記念香会」が大本山護国寺で開催されました。このイベントは、日本の香文化を深く理解し、体験するための貴重な機会です。
香りを聞くという新たなアプローチ
日本の香文化において、香りを「聞く」という言葉は特別な意味を持ちます。これは、香道の根源にある概念であり、嗅覚を超えて全身で香りを感じることを表現しています。この記念香会では、香りによって過去、現在、未来に触れる旅を体験することができました。
香道とその魅力の再発見
月光殿という歴史的な建物の中で、御家流香道第二十三世宗家である三條西堯水様から特別な香木「羅國しらべ」の香りを受け取り、新作組香「麗春香」を体験しました。この香りの聞香は、ただの嗅覚体験ではなく、感情や精神の奥深くにも触れるもので、多くの参加者がその魅力に圧倒されていました。
そして、平安時代の高雅な薫物文化「六種の薫物」の再現も行われ、平安時代に貴族たちが香りを自らの表現として用いたことが、どのように現代に受け継がれているのかを学ぶことができました。古文書に基づいて忠実に再現されたその香りは、多くの歴史を秘めたものでした。
参加者の声を紡ぐ体験
参加者たちは、香りを聞いているうちに、心が整うような感覚や脳が覚醒する感覚に没入していくのを感じたと口々に表現しました。香りの違いを追求することで得られる精神的な集中と、心地よい時間がどれほど至福であるかを実感したようです。より深い香りの世界があることに驚く声も多く、様々な木による独特の香りを体験する中で、まるで日本の自然と一体化しているかのような感覚を味わったとのこと。
「これからを聞く」新たな香木の発見
イベントのフィナーレでは、国内初公開の「和香六木」を体験しました。これは、六種類の日本独特の香木を集めたもので、その香りは地域特有の文化や芸術に大きな影響を与えています。この機会に、希少な香りを体感できることは貴重であり、新しい香の可能性を見出す手助けとなったことでしょう。
香文化の未来を見据えて
さらに、ルフランの香道具を使った体験もあり、参加者は香道具の美しさやその用途の幅広さに触れることができました。また、呈茶席では、ピエール・エルメ・パリのマカロンとともに、静かなひと時を過ごす中で、香りと茶の融合を楽しみました。
この記念香会は、日本香堂グループが450年にわたる香文化の伝承と革新を、どのように未来へ繋げていくかを体現するものでした。それぞれの香りが持つ物語を知ることで、香文化の深さを感じ取ることができる貴重な経験となりました。今後、一般向けの体験ワークショップやイベントも実施予定であり、多くの人々がこの魅力的な香りの世界に触れる機会を持つことが期待されます。
詳細は、日本香堂グループの公式ウェブサイトから確認できます。