関通とCake.jp、冷凍スイーツ業界の新しい物流インフラを目指して
最近、ケーキ専門の通販サイト「Cake.jp」を運営する株式会社Cake.jpと、物流とITオートメーションに特化した株式会社関通が、冷凍スイーツおよび洋菓子業界における物流基盤の構築を目的とした資本業務提携を発表しました。この提携により、両社はスイーツ業界全体の物流課題を解決し、オリジナルなソリューションを提供することを目指しています。
資本業務提携の背景
近年、冷凍技術が進化し、消費者のライフスタイルが変化する中で、冷凍ケーキや冷凍スイーツの需要が急激に増加しています。市場調査によると、2025年までに冷凍デザート市場は約1兆円に達する見込みで、年平均7.75%の高い成長が期待されています。しかし、その成長に伴って、物流に関する様々な問題が浮き彫りになっています。例えば、冷凍・冷蔵・常温を行き来する商品管理、少量多品種の対応、そして賞味期限やロット番号を正確に管理する必要性が高まっています。
そのため、関通とCake.jpは、特化型の物流インフラを共に構築することを決定し、“スイーツ業界専用”の物流基盤を整備するために二つの主要なサービスを展開します。
Cake.jp × 関通の二つの柱
1.
WMSソリューション『トーマス for Sweets』
このソリューションは、スイーツ業界に特化した在庫・ロット・賞味期限管理機能を備えています。冷凍・冷蔵・常温の全温度帯に対応した倉庫管理システムを提供し、Cake.jpを通じて導入サポートを行います。特徴としては、小ロットでの多品種展開が可能であることや、精密な在庫管理が実現できることが挙げられます。
2.
フルフィルメントセンター『Cake.jp Sweets BASE』
こちらのセンターは、関通の高機能な物流インフラを生かし、2026年8月の稼働を目指して準備が進められています。このセンターでは、Cake.jpに加盟していないスイーツ業者も利用可能で、スイーツ業界全体の物流ニーズに応えることが期待されています。
提携の狙いと双方のメリット
この資本業務提携は、両社にとって多くのメリットをもたらすことが期待されています。Cake.jpは、加盟店やOEM企業に対して物流支援を強化し、売上向上にも繋げることができます。関通にとっては、成長市場であるスイーツ領域への進出や、効率的な物流の展開が見込まれます。さらに、両社は互いの強みを活かして、新たなビジネスモデルを構築していくことができます。
今後の展開
2025年までには、WMSソリューションの導入を10社以上に拡大し、Cake.jp Sweets BASEを本格的に稼働させることを目指しています。また、将来的には原材料調達や販促支援、金融機能を見据えた「スイーツ業界総合支援プラットフォーム」の構築も計画しています。
代表メッセージ
関通の達城久裕社長は、「冷凍技術の進化とスイーツ市場の変化の中で、業界横断的な物流インフラが求められています。この提携を通じて、物流とテクノロジーによってスイーツ業界の未来を支えていきます」と述べています。
一方、Cake.jpの高橋優貴社長は、「全国の1,700以上のスイーツブランドと共に、スイーツ市場の拡大に向けた物流インフラの整備が重要です。この提携は、今後のスイーツ体験の進化に大きく貢献するでしょう」と語っています。
このように、関通とCake.jpの提携は、冷凍スイーツ業界にとって革新的な一歩となります。今後の展開に期待が寄せられる中で、両社が共同で取り組む新しい物流インフラが、業界全体にどのような影響を及ぼすのか注目されます。