日清製粉ウェルナがAIで冷凍食品需給管理の自動化に成功

株式会社グリッドと日清製粉ウェルナが共同開発した新たな在庫管理システムが、2024年10月より運用を開始しました。このシステムは、AIを活用して冷凍食品の需給管理を自動化し、業務の効率化を図ります。

背景とシステム概要

日清製粉ウェルナは、受注、出荷、在庫の情報をもとに冷凍食品の生産を行っています。製品は倉庫を経由して店舗へ納品されており、ニーズの変化や倉庫の在庫状況に応じて製品を転送しています。これまで、需給計画の立案は専門の担当者が手動で行っていましたが、必要なプランのパターンは約1800通りに達し、担当者に大きな負担を強いていました。そのため、自動化が急務です。

このような中、日清製粉ウェルナが持つ業務ノウハウと、グリッドの最先端AI技術を掛け合わせ、需給管理を効率的に行えるシステムが生まれました。このシステムの導入により、需給計画や在庫転送計画の自動立案が可能となったのです。

システムの特長

需給計画・在庫転送計画の自動立案

システムでは、過去の出荷や受注の実績をもとに月次の販売予測を立てます。この予測及びリアルタイムの在庫状況、工場の稼働計画に基づき、最適な需給計画が導き出されます。また、倉庫への配車依頼や在庫の移動計画も自動的に策定されます。これにより、計画策定にかかる時間が従来の3日から1日へと大幅に短縮され、月間で50時間以上の業務削減を実現しました。

計画立案後の柔軟な修正

システムは、自動化が進む中でも担当者が出力されるデータを使いやすく加工できるように設計されています。突発的な需給の変動に対しても、担当者がシステムから出力された計画を修正することが可能なので、柔軟な対応が実現されます。

今後の展望

グリッドは引き続き、AI技術を駆使して社会を支える企業のデジタルトランスフォーメーションを進める方針です。この新たなシステムの導入によって、日清製粉ウェルナは、より安定した製品供給を実現し、顧客満足度の向上を目指しています。

冷凍食品の需給管理自動化は、業界全体にとっても大きな革新であり、今後の展開に注目です。