SAPユーザーの85%がS/4HANA導入に慎重な理由とは?
SAPユーザーの85%がS/4HANA導入に慎重な現状
リミニストリートが実施した調査によると、SAPユーザーの85パーセントが新たに発表されたS/4HANAの導入を決定していないことが明らかになりました。この調査は、230社以上の企業からのデータをもとに行われ、ユーザーが抱える懸念やビジネスニーズについて深く掘り下げています。
S/4HANA導入への懸念
調査では、導入未定の主な理由として、68パーセントがビジネス上の導入理由が不足していること、ROI(投資対効果)が不明であることを挙げています。さらに、既存のSAP ECC 6.0プラットフォームに留まりたいと考える回答者は72パーセントに上り、安定感を重視している様子が伺えます。
特に、既存のシステムに依存している企業が多く、コストやリスクを考慮して新しいシステムへの移行をためらっているのが実情です。また、HANAを現在利用しているのはわずか3パーセントで、ビジネス環境の変化に対する敏感さが表れています。
長年運用する既存アプリケーションの支持
調査において、回答者の75パーセントは、最新のエンハンスメント・パック7を導入せず、古いエンハンスメント・パック6もしくはそれ以前のリリースを利用していることが分かりました。この背景には、「現在のアプリケーションでビジネスニーズを満たせる」との自信があることが影響しています。
サポートへの不安
さらに、SAPライセンシーはサポート費用の高額さやカスタマイズの難しさにも直面しており、41パーセントの回答者が「サポートコールが高額」と感じています。これにより、長年利用してきた安定したシステムを手放すことに抵抗を感じるのは自然です。
市場の傾向と未来へのアプローチ
リミニストリートの上席副社長は、「SAPのライセンシーが新製品の導入に慎重なのは自明であり、経済的な理由によるものが大きい」と述べています。多くの企業が現行システムを支えにしている以上、新しい製品を導入する理由が明確に示されない限り、この流れは変わらないでしょう。
実績あるSAP ECC 6.0を引き続き利用する企業が増えている一方で、ビジネス環境に対する変化に期待しつつも高いコストを回避するといった選択肢を選ぶ意識が広がっているのです。
結論と今後の展望
そういった状況の中、リミニストリートは企業支援の姿勢を強化する方針を掲げています。企業のソフトウェア環境が変化する中で、ainvestmentから最大の価値を見出すことが求められています。
SAPのユーザーコミュニティは今後、どのように新しいシステムへのシフトを決断していくのか、注目されるポイントです。リミニストリートの調査結果は、SAPのビジネスアプリケーションがこれからもどのように進化していくかの予兆を示しているのかもしれません。
会社情報
- 会社名
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日本リミニストリート株式会社
- 住所
- 東京都新宿区西新宿3-7-1新宿パークタワーN30階
- 電話番号
-
03-5326-3461