ウェアラブルデバイスで乳がん患者の身体活動量を分析!ExaMDと第一三共が臨床研究を開始
株式会社ExaMDと第一三共株式会社は、早期乳がん患者を対象としたウェアラブルデバイスを用いた臨床研究「TRACK-BC」を共同で開始しました。本研究は、グローバルにおいても珍しく、その結果が注目されています。
ウェアラブルデバイスを活用した身体活動量評価
本研究では、ウェアラブルデバイス「Fitbit®」とスマートフォンアプリを用いて、術前化学療法を開始する早期乳がん患者の身体活動量の変化を明らかにします。約100名の患者さんの参加を予定しており、2025年度中の解析終了を目指しています。
身体活動量の変化と患者さんの状態変化の関連性を調査
本研究では、身体活動量の変化と、身体や精神の状態変化の関連性を評価します。乳がんは、生産年齢人口に含まれる45~54歳の罹患率が高いとされており、女性の就労を含む社会的な問題の一因とされています。本研究により、身体活動量の低下時期などが明らかになれば、治療を受けながら働く女性の就労スケジュールやライフイベントの計画、仕事の配分、休息やサポート体制の確保などに貢献できる可能性があります。
トータルケアエコシステムの構築に向けた取り組み
今回の取り組みは、第一三共が掲げるトータルケアエコシステム構想のコアパートナー企業としての協業の一環として推進されています。トータルケアエコシステム構想では、多業種との協働を企図しており、健康・医療領域におけるトータルケアエコシステムの共創を目指しています。
ExaMDのAIプラットフォームを活用した新たなソリューション提供
ExaMDは、本研究や今後の取り組みを通じて、AIプラットフォーム「exaBase」や「exaBase Healthcare Data Platform」などのアセットと組織ケイパビリティを有効活用し、患者さんや生活者を対象とした新たなソリューションを提供していく予定です。
会話音声による認知症診断のプログラム医療機器開発
ExaMDは、会話音声による認知症診断のプログラム医療機器(SaMD)の開発・事業化も推進しており、健康・医療領域の新たなサービス開発・運営体制を整えています。金融・保険や消費財、運送業界等を含む多業種横断的な協働に取り組むことで、ExaMDならではのエコシステムの形成を目指しています。
第一三共のトータルケアエコシステム
第一三共が開発を進めている新しいエコシステムは、患者さんや生活者一人ひとりの困りごとを解決し、Well-Beingを実現することを目的としています。健康・医療領域の企業や団体、データプロバイダー、IT企業等が協働することで、健康促進から予防・治療・予後ケアにまでわたるトータルケアソリューションを創出、提供することを目指しています。
期待される今後の展開
本研究の結果は、乳がん患者の治療や生活の質の向上に大きく貢献する可能性を秘めています。また、ウェアラブルデバイスを活用した医療分野の新たな可能性を示すものとして、今後の展開が期待されています。