新しい空き家活用の形
近年、日本中で増加する空き家問題に直面し、さまざまな対策が模索されています。それに応じて、東京を拠点とする株式会社KLCと宮城県の株式会社巻組が、放置された古民家を地域の資源として再生する取り組みを新潟県阿賀町で始めました。この二つの企業は、それぞれの専門性を持ち寄り、遊休不動産を新たな価値に変えるために連携しています。
協力の背景
KLCは、不動産の引き取りサービスを展開しており、特に「負動産」と呼ばれる利用されない不動産を有償で引き取るサービスを提供しています。一方、巻組は、古民家をシェアハウスやゲストハウスに再生する実績を持つ企業で、特に地域コミュニティの再構築に力を入れています。両社は、保有するのが困難な古家の有償引き取りから運用までの一連の流れをスムーズに行うシステムを構築しました。
この連携により、物件の販売にかかる時間が大幅に短縮され、数か月から数年を要するところがわずか数週間で進行することが可能となりました。これは、地域における遊休不動産の活用を促進する新たなアプローチです。
空き家問題の深刻化
2023年4月の発表によると、日本には約900万戸の空き家が存在し、その数は増える一方です。特に地方では、親世代からの相続を拒む若い世代が増加しており、空き家の相続登記が行われないことで状況はさらに複雑化しています。これにより、空き家問題は深刻な社会問題となっています。相続登記が義務化される2024年4月に向けて、多くの所有者が負動産をどう処分するかの相談が急増しているのです。
新たな試みの詳細
今回の協力により、阿賀町に築62年の古民家を取得。地元の特性を活かした運用が期待されています。KLCが媒介者となり、巻組と直接契約を結ぶことで、スムーズな引き取りと運用が可能となりました。巻組は獲得した物件の修繕費用を即時に支払い、初期投資のリスクを軽減することに成功します。これにより、地域の空き家問題に対する解決策が示されたことになります。
地域の活性化を目指して
KLCの代表、小林弘典氏は、「空き家を有効活用することで地域を活性化し、不動産の再生を通じて地域の未来を築いていく」との意気込みを語ります。また、巻組の渡邊享子氏も、「複雑な空き家問題を解決するためには、専門的な知識と管理が欠かせない」と強調し、今後の取り組みの重要性を訴えました。
スタートメンバー募集中!
巻組では、シェアハウスの運営に関与するスタートメンバーを募集しています。対象の古民家に住み込み、内装作業やイベント企画などに関わることができます。「自分のシェアハウスを立ち上げたい!」という方には絶好のチャンスです。詳しくは、巻組の公式サイトをご覧ください。
このように、KLCと巻組は連携を通じて無駄な資産を地域の価値に変える新モデルの構築を目指しています。彼らの取り組みが全国に広がることで、空き家問題が少しでも緩和されることを期待したいですね。