新刊『医療における患者のチカラ孤独・孤立を予防するコミュニティ』
このたび、細田満和子教授による新刊『医療における患者のチカラ孤独・孤立を予防するコミュニティ』が2025年4月18日に発売される。この書籍は、医療、福祉、教育の現場での実地調査を元に、超高齢社会における共生の可能性を探る内容である。著者によると、患者自身が持つ力と、コミュニティの支え合いがいかに重要であるかが詳細に記されている。
本書の構成
書籍は大きく二部に分かれている。第1部では、患者会やピアサポートの重要性に焦点を当て、具体的な活動内容や目的、そして参加者たちの悩みや希望を詳細に紹介する。ここでは、「患者のチカラ」とはどういうものかを考察し、医療の枠を超えた社会全体が支え合う仕組みの重要性を伝える。
第2部では、孤独や孤立を予防するためのコミュニティの力に着目し、社会的処方(Social Prescribing)という新しいアプローチを紹介する。薬だけでなく、人々のつながりを重視し、地域社会でのサポートに焦点を当てる。これにより、患者たちが元気に生活できる環境を創造することを目指している。
患者をエンパワーするコミュニティの重要性
本書では、病気や障がいを抱える人々がどのようにコミュニティとつながり、自らの役割を見出していくのかが分析されている。参加者たちが互いにエンパワーし合うことで、超高齢社会においても、自分らしい生活を送ることができる可能性が広がることを、具体的事例を交えて説明している。
支え合いの仕組みの構築
また、「患者の旅路(ペーシェント・ジャーニー)」という概念に基づき、病気の診断から治療、生活再建、終末期までのプロセスを通じて、いかに医療者や地域が関与してサポートするかを考察している。この中で、支え合いの仕組みを創ることの重要性を強調し、地域や社会全体が患者を支え合う力を持つ必要があると提案している。
誰もが生きやすい社会の実現へ
細田教授は、病気や障がいを持つ人々が社会になくてはならない存在であり、その視点を持つことで初めて実現できる「誰もが自分らしく生きられる社会」を目指している。本書を通じて、医療者や患者、地域がいかに協働できるかを示したいと意気込んでおり、読者にとっても支え合いの地域づくりに貢献できるヒントが与えられるだろう。
結論
本書は、病や障がいがあっても共に支え合える社会の実現に一歩近づくための重要な一冊となることが期待されている。細田満和子教授の熱い想いが詰まった本書を手に取り、多くの人々が新たな視点を得ることを願っている。
書籍の詳細
- - 出版社: パレード
- - ISBN: 978-4-434-35564-6
- - 仕様: 四六判/並製/204ページ
- - 定価: 1,650円(本体1,500円+税10%)
詳細は
パレードブックスや
Amazomで確認できる。