地域産業と宇宙の連携で生まれる新たなエコシステムとは
2025年7月10日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、株式会社ゼロワンブースター、一般社団法人SPACETIDEと共同で、“地域産業×宇宙”をテーマにしたサイドイベントを開催しました。このイベントでは、さまざまな分野のプレイヤーが集まり、宇宙と地域産業の新しいエコシステムの構築について活発な議論が行われました。
イベントの概要
イベントは早期に定員100名が埋まり、全国から150名以上がオンライン配信に参加するという関心を集めました。業界の先駆者たちによるパネルディスカッションや交流会では、スタートアップや地域企業、自治体、金融機関などさまざまな立場からの意見が交わされ、参加者にとって宇宙と地域の接点を探る貴重な場となりました。
参加が叶わなかった方に向けて、イベントのアーカイブ動画はYouTubeチャンネル「JAXABIZ」で公開中です。
こちらからご覧ください。
JAXAの取り組み
イベントは、JAXAによる地域における宇宙ビジネスの取り組み紹介からスタートしました。具体的なアプローチや新事業促進部の活動についての説明も行われ、地域産業と宇宙に関する意義やそれぞれが持つポテンシャルについて共有されました。
セッション1: 宇宙スタートアップの挑戦
セッション1では、衛星データを活用した地域課題解決に取り組むJAXAベンチャーの経営層が登壇しました。「うちの事業の強みや失敗談、そして理想のコラボレーション」などのテーマでディスカッションが行われ、参加者からの質問にも熱心に応じました。このセッションでは、宇宙ビジネスの実態やスタートアップが直面する具体的な課題について、リアルで生々しい情報が共有されました。
セッション2: 地場ものづくり企業の役割
次のセッションでは、地域のものづくり企業と行政の担当者が登壇し、地場ものづくり企業の宇宙産業への参入について意見交換が行われました。特に、宇宙関連のサプライチェーン構築に対する金融機関の役割についても話が及び、現場での課題や実例が紹介され、多角的な視点からの議論が繰り広げられました。これにより、地場企業が宇宙産業に参入するためのヒントを得られる機会となりました。
交流会でのネットワーキング
セッション後の交流会では活発なネットワーキングが行われ、参加者間のつながりが深まりました。特に設けられた「マッチング掲示板」では、事前に提出された企業や自治体のニーズが共有され、多くの参加者が関心を示しました。この掲示板が新たなビジネス機会を生むきっかけとなることが期待されています。
高評価のイベント
アンケート結果では、参加者の90%以上がこのイベントに対して「満足」や「やや満足」と評価しており、「普段会えない人と出会えた」や「リアルなビジネスの話が聞けた」といった前向きな意見が寄せられました。一方で、さらなる支援やサポートを求める声も多く、JAXAは今後も「地域産業×宇宙」のプレイヤーの創出と成長を支える取り組みを続けていく方針です。
参考資料
JAXAは、宇宙を活用した地域活性化や産業振興、地域課題解決を目的に、28の自治体における取り組みをまとめた「宇宙ビジネス自治体事例ハンドブック」を作成しています。
こちらからダウンロードできます。
宇宙ビジネス自治体事例ハンドブック「はじめの一歩」
このように、地域産業と宇宙が融合することにより、新たなビジネス機会が生まれ、地域活性化が期待されます。今後の展開に注目です。