産後女性のための新たな支援サービス『famitasu TREE』
株式会社ママクオリアが始めたこの新たな支援サービス『famitasu TREE』は、産後女性のメンタルケアと職業支援を一体化したもので、特に産後うつや復職不安を抱える母親に重点を置いています。家庭や夫婦単位で「心」と「働き方」を支えることを目指すこのサービスは、育休中の悩みや復職への不安を軽減し、持続可能な支援ネットワークの構築を図ります。
日本における産後うつの現状
最近の調査によると、日本では約7人に1人の母親が産後うつを経験しているとされています。若い母親たちが抱えるこの病は、就労や家庭生活に深刻な影響を与える恐れがあります。実際、産後1ヶ月での発症率は約14.3%との報告もあり、日本精神神経学会のデータがそれを裏付けています。特に男性の育休取得率は40.5%、女性は86.6%と過去最高を記録しているものの、依然として中小企業では人手不足や従業員の定着が難しい状況が続いています。
メンタル不調は生産性の損失を引き起こし、GDPに対して約1.1%の影響を及ぼすとも言われており、その額は年間で7.6兆円にも達する可能性があります。このように、国や企業、地域社会が連携して問題解決に向ける必要がある中、『famitasu TREE』はその解決策の一部となることを目指しています。
産後の悩みを一つに束ねた『famitasu TREE』のサービス
このサービスは、各種のサポート窓口がバラバラな日本の現状に対し、復職やキャリア、産後うつ、育児などの問題を総合的に扱います。利用者自身が問題を明確にしない限り、解決への糸口が見つからないという現実を打破するために、このサービスはデザインされています。特に、育休中のママたちからは、復帰前のカウンセリングやオンラインでの継続的なメンタルサポートが強く求められており、そうしたニーズに応えています。
調査をもとにした現場の声
株式会社ママクオリアは、2025年の2月に実施した調査を通じて、全国の子育て中の母親たちからの現場の声を集めました。回答者の約7割が30代の女性で、返答は南関東や近畿を中心に全国から寄せられました。多くのママたちが、育休中に感じる復帰への不安や育児との両立の難しさを持っており、その声がサービスの重要なフィードバックとなりました。特に、「オンラインカウンセリング」や「復職前カウンセリング」といった支援への需要が明らかになり、それに応える形で『famitasu TREE』が開発されました。
来るべき社会の実現に向けて
『famitasu TREE』は、単なるサポートにとどまらず、母親たちが「自分らしく働く」ことを実現するための伴走型オンラインサービスを提供します。メンタルケアとキャリア支援を同時進行で行い、母親だけでなくそのパートナーや家族をも巻き込む形で支援を展開します。また、オンラインで受けられるサービスは赤ちゃんを抱っこしながらでも参加可能で、利便性を重視しているのが特徴です。
今後、株式会社ママクオリアは自治体や企業とも連携し、地域社会全体での支援モデルを構築することを目指しています。生産性を向上させるためには、心のケアが欠かせないという信念のもと、加速度的に拡大するこの支援サービスに注目が集まっています。私たちが目指すのは、子育てや心身の不調を理由に仕事をあきらめる必要のない社会の実現です。